長い長い人生という旅を今終える。
今思えば、僕の人生には何もなかったな。
趣味も特技も青春も。全部空っぽ。
それなのに心はどす黒く壊れていた。
何もなかった、何もなかったから今終わらせる。
存在意義もここにいる理由もない。
今終わらせなかったらきっと後悔する。
だから、僕は今人生という旅を終わらせる。
僕の人生の果てに残ったのは
空っぽなまま満たされない心だったよ。
『旅路の果てに』
「前から好きでした」
「大好きです、付き合ってください」
何回も告白の文章を書き直す。
私はあなたのLINEの画面をみながら何度も何度も。
「あなたのことが大好きです。」
この文章に私の全ての想いをこめていざ送信ボタンに力を込める。 だめだ、送れない。
ずっと好きで大好きで、付き合いたいなって思ってた。
でも仲良くなる度に、あなたは友達として好きなのが伝わってきて申し訳なくなっちゃった。だから最後に告白して終わらせようって思った。でも話せなくなっちゃうのが辛くて、全然送信できない。
もう言っちゃいたいのに、言えない。
『あなたに伝えたい』
私は夢を作り夢を魅せるお仕事をしている。
そう、アイドルだ。
今日もステージの上で笑顔を振りまく。
小さい頃から自分の声や容姿には自信があった。
世界で一番かわいいって思ってたし、テレビに出てるアイドルはぶさいくだと思った。
今は少し成長して周りの子もかわいいって思えるようになってきたけど、やっぱり私が一番かわいいって思う。
親も親戚もみーんな私のことかわいいって言ってくれるし、今まで1度も容姿について悪く言われたことはない。
だからそんなかわいい私はもっとみんなに褒められたい、かわいいって言ってもらいたいって思うようになってアイドルになった。
私はアイドルとしてステージに立ち、ファンのみんなに笑顔を振りまいている。かわいい私が大好きだし、アイドルの自分も大好きだ。
私が常に一番かわいくて最強なアイドルなの。
『I LOVE...』
昔はとても嬉しかった「街へ行こう」。
今は少し怖くなった。
人の声も足音も雑踏も喧騒も。
いつしか全部全部が嫌になった。
みんなお洒落で希望に満ち溢れていて、
活気に溢れていて。そんな中に僕は似合わなかった。
全然嬉しくないのに嬉しいふりをしなくちゃいけない。
気持ち悪さで吐きそうなのに楽しいふりをする。
ほんとにだめだ。街は僕をかき消してしまう。
『街へ』
「あなたに優しくされたい」は
「あなたに甘やかされたい」なんだよ
『優しさ』