12/30/2023, 3:47:30 AM
いま、我が家には
一箱のみかんがある。
玄関の隅に置いて、早く食べなきゃ
ダメになっちゃうよなぁ
と、思いつつ。
ふと、箱をのぞくと少し減り
また、のぞくと半分ほどに。
子どもたちが、コタツでみかんを
している。
心配しなくても、大丈夫そうだね。
【お題:みかん】
12/20/2023, 2:38:46 PM
この鐘の音が、幸せの福音なら
良かったのに。
赤くも黒くも見える
ただれた空と
悲鳴と、焼け落ちる何かと。
街を見守る時計塔は無惨に崩れ
鐘は、真っ逆さまに落ちた。
日常のシンボルが奪われ、潰され
初めて、現実を見る。
平和な日時は、あまりにも脆弱で
誰もが皆、明日も同じように
ベルが鳴ると信じて疑わない。
それが、普通だとしたら。
この光景は、夢なのだろうか。
いや違う。
私の街の鐘は、もう鳴らない。
【お題:ベル】
12/15/2023, 2:53:50 PM
どこかで、期待してしまう
私の歪な心の隙間に
雪でも降り積もってしまえば
何かを、望む暇もなく
目も、気持ちも、身体も冷めるだろう。
白く白く、埋まってしまいたい。
それなのに空は、濃い灰色。
…まだ、雪は降らない。
【お題:雪を待つ】
12/13/2023, 1:24:58 AM
言葉と言葉が、ぶつかって
傷つくのは 心と心
だけど、その痛みまでは
お互いに知らない。
言葉は、発した瞬間から
消えてゆく。
心の傷は、その瞬間から
深く深く広がってゆく。
私を覆う、肉という皮の中が
どれだけ ぼろぼろ かなんて。
にこにこしてりゃ
誰も、知らない。
そして、私も、何も知らない。
【お題:心と心】
12/11/2023, 10:01:40 PM
何でもないフリは
得意だった。
平気なフリ
見て見ぬフリ
聞こえないフリ
それが、自衛にもなると思った。
けれど…なんだか違うんだ。
些細なこと、気付いたことに
手を伸ばしてみたい。
世界の大きな渦の、端っこでいい。
私は、私らしく。
通り過ぎようとした、足を止め
私は、駆け寄った。
大丈夫ですか、と声をかけ
そっと手をさしだした。
【お題:何でもないフリ】