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4/9/2023, 1:21:48 PM

 誰よりも、ずっと。と言い切れることは、私には少ない。いや、ないと言ってもいいかも知れない。
 何をするにも上には上がいる。上には上がいた。

 それでも腐らずに、若い頃からもっと色んな物語に触れていれば良かった。
 そうすれば、今よりマシな深度で小説と向き合えていた気がする。

 誰でも言えることだが、若い頃は才能の塊だ。
 映画でも小説でも漫画でもアニメでもドラマでも演劇でも、何にでも触れておくことはその後の貯金になる。

 才能の塊は磨かなければ錆びついてしまう。
 歳を経て磨こうったってそう簡単にはいかない。
 私はきっと、もう速度としてはとても遅いけれど。
 これからの人は、どうか頑張って。
 私も少しずつ、また磨けていけたらいい。

4/8/2023, 3:35:27 PM

 これからも、ずっと。私は囚われ続ける。
 私の終わらせた物語に囚われ続ける。挫折して折り合いを付け続けて終わらせた物語だった。反応は勿論ない。
 それでも好きな物語で、次の物語を書くことは考えてない程まだ囚われてる。

 でも、世の中にずっとなんてない。
 砂を噛むような毎日も、失敗した物語も。
 いつかは状況が、心が変わっていく。
 望む望まないにかかわらず。

 だから今日の、これからも、ずっと。は、猶予付きのずっとなのだ。

4/7/2023, 2:22:02 PM

 光り輝く夕陽が、辺りの山並みを黄金色に染めてゆく。その光景を川辺りで見ていた。
 空も雲も町並みも染めてゆく夕陽は、ゆっくりと山並みに沈んでいった。最後のいっぺんまで強烈な光を放ちながら。
 夕日が沈む。
 夜が来るにはまだ早い。
 明るい空に、黄金の気配が残っている。

4/6/2023, 12:21:55 PM

 君の目を見つめると、胸が高鳴る。耳が痒くなって心臓がドキドキ。まるで満天の星空の下にいるみたいに、ワクワクが止まらなくなるんだ。
 でも、君は恥ずかしがり屋だから、僕が見つめると顔を赤くして俯いてしまうね。緩く髪を乱して色づく頬を隠してしまう。その度に僕はもったいないと思うんだよ。
 いつかでいいから、見つめ返して、微笑んでほしいなあ。
 君の瞳の美しさも好きだけど、僕は君の微笑みが何より大好きだから。

4/5/2023, 1:10:51 PM

 彼の家は郊外の山奥にあるから星がよく見える。
 けれども今日は雨。星空の下で一晩を過ごすのは叶わない筈だった。
「でも、これから全国的に深夜4時位には○☓流星群が極大になるんだよ」
 そう言って車に天体観測用品を積み込んでいる彼の顔は、子供みたいに嬉しそう。
 私も、用意したバスケットとポットを二人分の毛布の隣、後部座席に乗せて、沢山見れるといいわね、と彼に便乗した。
「こういうときのために、免許取っといてよかったあ」
 雨雲の下から抜け出せる事に喜びを感じている彼に、私は思わず頬が緩む。
「私も免許あるから、疲れた時は言ってね」
 そう伝えると、彼は口をもごもごさせ、嬉しいけど、と急に困ったような顔。
「夜道は慣れないと危ないし、君は僕のワガママに付き合ってくれるだけだし、運転は全部僕に任せてよ」
 そこまで言われてしまうと、私としては引き下がるしかない。
 けれど彼のワガママに付き合っているだけではないので、そのことはそれとなく伝えてみた。

「私も、流星群楽しみよ?」
「なら尚更、運転は僕に任せて君はドライブも星空も楽しんでいって」

 その言葉と弾けんばかりの笑顔に。私は、きゅう、となる心臓を抑え、甘えることにする。
 頬が信じられない位熱い。私は、彼のこういうところが、堪らなく、好きだと思う。
 真っ赤な顔が恥ずかしくて俯くと、髪を緩く乱して熱い頬を隠した。
 気分を一転させて、助手席に乗り込み彼にガムを勧める。
 彼はガムを噛む前からやる気満々。運転席に座り意気揚々とシートベルトを締めている。
 流星群は、ネットでの中継もあるらしいけど、彼と私は、これから車で雨雲の下を出る。
 明日は休み。徹夜の準備はバッチリだ。
 流星群を追って、雨の中のドライブが始まる。


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