#透明な水
見渡す限り砂漠の中だ
奴隷馬車から逃げ出し
かれこれ2日はここをさまよってる
…水が飲みたい
キンキンに冷えた透明な水が
もうだめだと思った時、巨大な何かが砂の中から引きずり込んで来た、砂の中に飲み込まれ
私は意識を失った。
#風に身を任せて
風に身を任せて
空に舞う
目的地は分からない
行き先は風まかせ
運任せ
たどり着いた場所がどんな場所でも
それが運命ならそれはそれで良し
#子供のままで
ここは子供しか住んでいない夢の国
子供の王国
私は家族でここに来たはずだった
だけど今はお父さんとお母さんとは離れて暮らしている
ここではいつまでも子供のままでいられるらしい
毎日不思議なお菓子を貰う
甘くて不思議なお菓子
あとからわかった、あれは成長を止める魔法がこもってる
身体の成長しない呪い
心の汚れのない純粋な子供しか住んでいない
今日も国の子供たちは大人を狩りに出かける
この世から大人を駆逐するまで。
#愛を叫ぶ
ハート型の大きな山
男女がそれぞれ左右の山頂から愛を叫ぶと
二人は幸せになれるとか
バカバカしい、こんな恥ずかしいこと誰がやるんだか
まぁ…一回だけなら、誘ってみようかな…
#初恋の日
ウチの小学校は夏休みに入り、あの頃の私は暇を持て余していた。
図書室で本をかりに来た時、羽間先生が大量の本を一人で戻しているのを見かけた
羽間先生は長年勤務していた先生だ
見かねた僕は先生の手伝い、その場を後にした
初恋の日は、両親に連れてこられた美術館
初恋は絵画だった
20代の日本人の女性
髪の毛は後ろでまとめられていて座りながらこっちを見た絵画
あまりに好きで会いたくてな毎日通った
私があまりに熱心に来るもんだから
館の人がモデルの女性について教えてくれた
あってみたいと思ったけど同時に怖かった
絵画の女性は図書室の羽間先生だった
あの驚きは今でも忘れられない
おまけに私はまだ図書室に本を返し忘れていた
図書室で羽間先生と会い私は思い切ってあの絵画のことを聞いてみた。