#君と出逢ってから、私は…
お母さんと、車で病院から帰る時、あの時間は嫌だ
嫌で、嫌で、どうしようもない
今日は学校の日かな それとも休み どっちだっけ…
私はヨーコ、ずっと布団で横になってるからヨーコ、ここではそう呼んで
部屋で一人で横になると、何かをやりそこねた感覚がずっと続いてる
毎日起きて、眠る、起きて、眠る、おきて、ねむる
処方してもらった薬は、あれとこれとあれ
あれ? これって何だっけ?
まぁ何でも構わない、それと、あれと、これ
薬を飲むようになって、あの子と話す機会が増えたのが嬉しい
ヨーコちゃん起きて、起きて
ナズナちゃんおはよう
ナズナちゃんは私の唯一の友達
いつも、元気でおひさまみたい、私は大好き
君と出逢ってから、私は…何だかおかしい
気分がいいけど、心の内側がズキズキしてる
今日は何して遊ぼうかヨーコちゃん
ナズナちゃんのしたいことなら何でも
気分がいいの、とっても素敵。
#大地に寝転び雲が流れる……目を閉じて浮かんでくる話は
ちーちゃんはかくれんぼが得意だった
小学校の帰り道、公園で仲のいい8人集まり、かくれんぼをしていた
いつも一人だけ見つけられない、小柄のちーちゃん
ちーちゃんは大人しくてあまり喋らない、探す時は決まって見つけるのが得意な私
その日は特に見つけられなくて困っていた
先に帰ったと思い、私達7人は諦めて帰ることになった
それからも、ちーちゃんは見つからなかった
ちーちゃんはどこにもいなくなった
警察の人来てちーちゃんを探した
4日経ってもちーちゃんは見つからなかった
私が再び公園に来た時だ、ちーちゃんの声がしたのだ
「ちーちゃん!」
私は声のする方に走った
声は次第に大きくなり、私は公園の大きな滑り台の隅を覗き込んだ
「ちーちゃん見つけた」
ちーちゃんはまた一段と小さくなってた
豆粒ほどのちーちゃんを大事に抱えて私はちーちゃんと帰った。
#「ありがとう」
昔、私は漫画を描いてた、
性格の悪い泥棒が呪文で犬に姿を変えられ「ありがとう」の感謝を10000回集めるためにお人好しの女の子の家に転がり込むお話し
編集の人はずいぶんその話しを気に入ってた
50ページにおよぶかなりの長編になり私は自分の人生の全てをその漫画の制作にぶつけた
今思えば絵は拙く見れた作品ではなかったかもしれないけど、今でもあの漫画が良かったと話しをされることがある。
結局最後はどんな人生も誰かに感謝しされるように生きたかで決まってくるのかもしれない
誰にも感謝されずに悲しまれない、自分の葬式なんて嫌だからね
家族と編集さんあの時漫画の制作を支えてくれて「ありがとう」
#カラフル
実家に帰ると子供の頃の自分の絵が飾られている
やたらカラフルにクレヨンで描かれた絵
稚拙でめちゃくちゃな描き方だが
今の自分の絵より何だか楽しそうに思えた。
#楽園
天界の王様は双子の息子達どちらを次世代の王を任せるべきか悩んでいた。
そこで双子の息子達、それぞれの国を作らせることにした
どちらの国が楽園と呼ぶにふさわしいかを100年の月日の中で競わせることにしたのだ
双子の弟アブラマは知的で国民の信頼を集めていた
叡智を集め、美しい楽園を築いていった
双子の兄カルデラは武力にたけており権利と力で国の繁栄させた、兵器を集め、侵入を防ぐ平和の楽園を築いていった
はじめは美しい始まりをしたが、二人の楽園はお互いの争いが生じていった
双子の争いはそれから50年続き二人の楽園は見る影もなかった。