3/15/2024, 2:30:47 PM
まるで要塞のような
威圧感と重厚感が滲み出る
建設間もないゴミ焼却場に向かう
坂道の途中に
ひっそりと
その公園はあった
標高が高い町の
そのさらに高台にある公園は
近場にゴミ焼却場があるという立地上
人気は少なかった
晴天の夜に見上げる空は
天然のプラネタリウム
という言葉を口にすることすら
あまりにも陳腐すぎて閉口してしまうほどの
360度無数の煌めきに溢れていた
まるで意図せずに
自身が宇宙空間に放り出されたような
錯覚に陥りそうになる
夜な夜なこの公園を訪れる人は
そんな星々の息吹に魅せられた人たちだ
自分だけの宇宙が其処にあると
知り得た人たちなのだ
『星が溢れる』
3/15/2024, 9:36:40 AM
その瞳に
映る自分を
私は見れなかった
君の穏やかな表情を前に
私は
胸に潜む激情を
君に覚られまいと
隠すことに必死だった
私の挙動は
ひどく可笑しなものに
映っただろう
それでも
安らかな瞳で
私の頬に伸ばす君の手を
どうして
払い除けられるだろう
愛しい君
この
微かな温みさえも
永遠に続いてほしいと
願わずにはいられない
あぁ、どうか
この一瞬を
終わらせないでください
『安らかな瞳』