お題︰どうして
空を見ても、音楽を聴いても、美術館に行っても、景色を見ても、何にも感じなくなった。
何かにときめくことがなくなって、素敵と感じることがなくなって、煌めきが見えなくなった。
しんどい、つらい、消えたい、そればっかり、それしか感じられない。
表現ができなくなった、どんな言葉遣いをしたらいいのか分からなくなった、書き記したいこと伝えたいことが分からなくなった。
何度も書こうと指を動かしては止まる。
熱意がない、何も感じなくなった、何も書けなくなった、それが、辛い。悲しい。
単調な言葉しか出てこない。言葉が降ってこない。登場人物が返事をくれない、喋ってくれない、それに引きずられるように想像力も働かなくなった。
どうしてかな。つらいな。
全部消してしまいたい。
どうしてかな、そればっかり。
お題︰ゆずの香り
ふやけたゆずを足でぐちゅぐちゅ踏みつけるのが楽しいのですが、何と言いましょうか、支配欲が満たされる感覚がするのです。暴力性を果物にぶつけ解消する、非常に良いですよ。果物は悲鳴を上げない静かな生き物ですからうるさくありませんし。しかし問題は足にゆずの香りが移ることですね。わたくしがゆずを踏みつけていたことを、まるでゆずが責めているようではありませんか。これでも、食べ物を粗末に扱ってはならない、という教えが脳内にこびりついていますからね。少々後ろめたい気持ちを抱えたり……していないかもしれません。ゆずの香りが足についたら良い香りになるだけですね。ありがとうゆず、踏みつけられているというのに、わざわざわたくしの足を良い香りにしてくださって。
お題︰冬は一緒に
誰かと一緒に何かをするというのはあまり得意ではない。他人に気を遣わないといけないし、調子を合わせないといけない。疲弊してしまうから一人のほうがいい。
でももし、気遣いもしなくてよくて調子も引きずられることがないなら、誰かと一杯乾杯がしたい。冷える空気に、澄んだ空に、朝霜にでも、今日という冬の一日に。
お題︰風邪
泣きたくなった。それは鼻を熱くする。
僕の言葉は垂れ流れる液体になった。
ゆらゆら、ゆらゆら、伸びて。
伝えたいことがあったけど、お粥に乗っけた梅干しみたいに酸っぱいから、口にしなかった。
風邪をひいた、僕の代わりに体が言った。
「もう疲れちゃった」。
ぴぴぴ、ぴぴぴ、熱い。
ベッドで思い出すのは、昔、の、冷たい手のひらで、額に手を乗せてみる。
何の変哲もない僕の手だった。泣いてしまいたい。
孤独みたい、喉が痛かった。
お題︰イルミネーション
木の枝に引っかかってるイルミネーションをきらきら見ていたらひらめいたんだよ。イルミネーションで括り付けてぶら下がったら、ぴかぴか光って僕の醜い体も綺麗になったりしないかなって。
メルヘンで可愛くて発見時にトラウマになりにくいと思うんだ。もっとメルヘンにするために風船を飾ったらどうかな? そうだ、クリスマスツリーを置くなんてどう? イルミネーションとピッタリだ。コンセプトとはクリスマス。ジンジャークッキーにキャンディケーンも置いて、甘いものを用意しておいてあげよう。一緒にミルクもどうかな。うん、バッチリクリスマス気分! ならいっそのこと24日の深夜に決行して25日に見つけてもらおうよ。そしたら……メリークリスマス、僕がプレゼントさ! うん、とってもメルヘンでとっても素敵!
メリークリスマス、メリークリスマス!
ハッピークリスマス、ハッピークリスマス!
あ
僕、ひとり暮らしなんだった……誰もプレゼントを見つけられないなぁ。…………でもきっと一週間もすれば異臭で誰か見つけるよね。うん、きっとそうだよ。
メリーハッピークリスマス。じゃあ。
メリークリスマス、メリークリスマス、メリークリスマス!
ぴかぴかイルミネーション
僕は今日イルミネーションに。
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