よあけ。

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1/14/2024, 7:48:11 PM

お題︰どうして

空を見ても、音楽を聴いても、美術館に行っても、景色を見ても、何にも感じなくなった。

何かにときめくことがなくなって、素敵と感じることがなくなって、煌めきが見えなくなった。

しんどい、つらい、消えたい、そればっかり、それしか感じられない。

表現ができなくなった、どんな言葉遣いをしたらいいのか分からなくなった、書き記したいこと伝えたいことが分からなくなった。

何度も書こうと指を動かしては止まる。

熱意がない、何も感じなくなった、何も書けなくなった、それが、辛い。悲しい。

単調な言葉しか出てこない。言葉が降ってこない。登場人物が返事をくれない、喋ってくれない、それに引きずられるように想像力も働かなくなった。

どうしてかな。つらいな。
全部消してしまいたい。
どうしてかな、そればっかり。

1/11/2024, 5:40:52 PM

お題︰寒さが身に染みて

夜、寝る前、ふと不安にかられたとき、ふと逃げたくなったとき、どうしようもなく人生をリタイアしたくなったとき。

激しい動悸に見舞われて、目の前にある大量の薬を飲み干したくなる。
しかしいざ飲もうとすると「失敗したらどうなるだろう」「後遺症になってもっと生きづらくなったらどうしよう」「部屋の片付けくらいしとけばよかったかな」なんて、至極真っ当なことを思い浮かべるのだ。
そうやってぽやぽやしているうちに頭にまで血が上って座っていられないほどドクドク鳴り響き、更には「私は一刻も早く死ななければならない!」などと意味不明なことが頭の中を満たしていく。

決して死にたいわけではなく、なんなら生きたいと思っているが、この消えたいという衝動も嘘偽りのないもので、しかし消えたいという衝動は脳みそが勝手に出しているだけであり自分の意志ではないし、最早自分の感情をコントロールできなくなる。

ここまで来たら死にたいも死にたくないもどうでもよくなってこの状況から一刻も早く脱したいという気持ちが強くなる。悩み葛藤し苦しい状況から逃げ出したい一心だ。

逃げたい、逃げたい、でもどうやって

上着も着ず、靴下も履かず、服一枚で外に出ろ。極寒の中ただひたすら突っ立っていれば良い。寒さで全身が震えて、指と足先がどんどん凍って、耳と鼻が千切れるくらい冷たくなっていくのをじっと感じればいい。

寒い、寒い、寒い!

5分外に出ておけばいい。そうしたら寒い以外何も考えられなくなる。さっきまでの不安だとか逃げたいだとか死にたいだとか、考える余裕なんてない。ただひたすら寒くて体を温めようと体が必死に震えるばかり。

寒さというのはいい薬だ、しかも良く効く。
服一枚で外に出て突っ立っていろ。
「頭の中がグルグルモヤモヤでいっぱいになったときどうしたらいいですか」
に対する今のところ一番良い回答だ。

寒さが身に染みて布団の暖かさにひどく安堵し、つかの間の安全地帯で眠りにつける。例え眠れなくとも安心感に包まれて、少しだけ幸せになれるというものだ。

12/22/2023, 6:16:36 PM

お題︰ゆずの香り

ふやけたゆずを足でぐちゅぐちゅ踏みつけるのが楽しいのですが、何と言いましょうか、支配欲が満たされる感覚がするのです。暴力性を果物にぶつけ解消する、非常に良いですよ。果物は悲鳴を上げない静かな生き物ですからうるさくありませんし。しかし問題は足にゆずの香りが移ることですね。わたくしがゆずを踏みつけていたことを、まるでゆずが責めているようではありませんか。これでも、食べ物を粗末に扱ってはならない、という教えが脳内にこびりついていますからね。少々後ろめたい気持ちを抱えたり……していないかもしれません。ゆずの香りが足についたら良い香りになるだけですね。ありがとうゆず、踏みつけられているというのに、わざわざわたくしの足を良い香りにしてくださって。

12/19/2023, 4:45:50 AM

お題︰冬は一緒に

誰かと一緒に何かをするというのはあまり得意ではない。他人に気を遣わないといけないし、調子を合わせないといけない。疲弊してしまうから一人のほうがいい。
でももし、気遣いもしなくてよくて調子も引きずられることがないなら、誰かと一杯乾杯がしたい。冷える空気に、澄んだ空に、朝霜にでも、今日という冬の一日に。

12/16/2023, 6:42:33 PM

お題︰風邪

泣きたくなった。それは鼻を熱くする。
僕の言葉は垂れ流れる液体になった。
ゆらゆら、ゆらゆら、伸びて。
伝えたいことがあったけど、お粥に乗っけた梅干しみたいに酸っぱいから、口にしなかった。
風邪をひいた、僕の代わりに体が言った。
「もう疲れちゃった」。
ぴぴぴ、ぴぴぴ、熱い。
ベッドで思い出すのは、昔、の、冷たい手のひらで、額に手を乗せてみる。
何の変哲もない僕の手だった。泣いてしまいたい。
孤独みたい、喉が痛かった。

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