雪
降り積もるのに
理由は必要ない
音すら必要ない
灰色に染まる心
覆い隠すように
静かに降り注ぐ
迷い揺れ動く心
日和見な感情に
黒では悲しいと
全て白い世界へ
そうしちゃえば
美しい世界へと
言葉すらいらず
沈黙の白世界に
準じていけるよ
降り積もるのに
言葉はいらない
涙すら必要ない
覆い隠すように
静かに降り注ぐ
冬休み
年末と新年の
狭いところ
あいだに
もぐり込んで
この瞬間に
何を振り返り
何を思い描く
かたまらない
気持ちを持って
変わる時くらい
ジッとして
迎えたとしても
きっといいよね
時を運ぶバス
年を重ねるまで
ゆっくり待つよう
バス停に立ち尽くす
そんな冬休み
イブの夜
夜空を見上げている
サンタさんを待っている
いつからだろう
探すことすら
止めてしまったのは
あの時に真実を
知ることは
少しだけ
大人になった
そんな気がした
いつしか目に入る
そんな物ばかり見て
何かを信じたり
期待することを
忘れてしまっていた
そんなものなのか?
ふと立ち止まり思う
あの時のドキドキや
トキメキを忘れるのが
大人になるってことなら
とても淋しいもの
たぶん考える間もなく
日常が過ぎていたのだろう
だから
夜空を見上げている
サンタさんは
来なくても
流れ星に
思いを託して
ドキドキの気持ちは
寒さを耐えうる要素
白い息が空へ帰る
信じることを
信じてみる
今夜は長そうだ
大空
ここからは
つながってると
教えてくれて
それでも
もう会えないと
無言で教える
やさしくて
残酷な空
見上げては
ここに
置いてけぼりに
なっている心が
体の中にあると
思い出す
行き場のない感情
どうにも
出来ないから
空へ託そうと
思ったのに
無言の語りは
追いつけない
感情を丁寧に
返されるだけ
自分の足で
進めるしかない
置いてけぼりの心
この体に纏って
選んだ道を
信じるままに
歩んでいく
いつでも
見上げれば
そこにも
大空はあるから
やさしくて
残酷な空に
背中を押される
心ひとつ
寂しさ
たぶんこれでお別れだ
何もないままで見送る
今しかないなんて思い
声をかけるなんて無理
こういう形で終わるか
かなり予想出来た結末
いいとか悪いとかなく
このままでを受け入れ
明日が来る寂しさにも
慣れなくてはと思える
不正解を選んだ自由は
後悔という解りきった
感情と友達になりなと
無言で突きつけてくる
こういう生き方だよね
まるで前にも見たよな
そんな景色に見えても
初めてのような顔して
明日を力なく歩いてく