窓から見える景色
誰しも持っている
心の窓から見る景色は
おんなじものを見ても
それぞれの映り方をする
だから発せられる
言葉は違うのに
予め聞き手の納得度を
推し測って言う
言葉すらある
みんな同じ窓から
見ることはない
それが当たり前
だから違う
違うのが違うのが違う
みんながみんな
違う言葉を
発することの方が
健全な状態なんだよ
そこから分かり合うことが
最も大事で当たり前なんだよ
分かり合うことに
時間をかけよう
そこで語り合う意味は
きっと尊いもので
独りがなくなる
そんな世界になる
形の無いもの
色とりどりの糸をたぐって
あなたへつながる1本を探す
思いだけをいっぱいにして
朝の空に願いをかける
風が優しく頬を伝えば
涙は自然と刺激される
辿り着くとは厳しい言葉
形無いものの伝え方
どうすれば良いのか
今この時になっても
わからないまま
言葉を選ぼうとして
手が震えている
声が聞こえる
声は聞こえない
ただ聞きたいだけ
やわらかい風も
木々が揺れる音も
おかえりのドアを
ノックする弾みも
キッチンの美味しい音も
求める声ではないのだから
そのまま行きな
振り返ってはいけない
風は透明な言葉で伝える
たなびきながら
揺さぶるように耳元を辿る
抱えてる怖さを知っているから
どうしたいかも知っているから
あなたの為に言っているんだよ
安らぎはここにはないと
教えるように消えないように
描いた探しを砕いていく
優しい風の寒ざむしさ
失くしたものを取り戻す選択は
与えられず
失くしたままに進むことを
余儀なくされる
そのまま生きな
振り返ってはいけない
風は残酷な希望を与えてくれる
その声を温かく受け取らないといけない
私の冷えた両手は素直に迎えに行く
秋恋
急に涼しくなるから
あなたの触れる手が
腕の中のぬくもりが
愛しさの秋に染まり
私だけ終われない恋
大事にしたい
言葉選びに
悩み
問いかけ
考え込む
どれが的確か
わからない
結局
心で葛藤して
絞り出すように
探していく
どれかな
これかな
それでいいかな
言葉を選び
言葉が選ぶ
そんなやり取りの
ひとつひとつに
素敵な表現の片鱗が
顔を出してくれる
問いかけ
迷い
行き止まる
振り返り
いつもの探し
いつまでも
大事にしたい