10/15/2024, 1:58:09 AM
高く高く
君は飛んだ。蝋の翼で、自由に、太陽を目指して。
私はそれを下から見上げる事しかできなかった。遠ざかる君が眩してくて、私は思わず顔を顰める。恐ろしくて、寂しくて堪らなかった。君がいなくなってしまうのではないかと。
溶け始めた蝋が、私の頬を涙の粒のように伝った。やがてそれがボタボタと雨のように降り注いで、呆気なく君は墜落した。
壊れかけの玩具のように呼吸する君を抱きかかえ、心の底から安堵する。もうどこにも行かないでと。
やがて蝋が固まり始めた。
10/2/2024, 2:55:25 AM
たそがれ
授業終了のチャイムが鳴った。荷物をまとめて教室を出ていく友人に手を振り、私は椅子に背中を預ける。天井を見上げてため息をつく。特別な理由もなくただ居残るのが何故か日課になってしまった。
9/16/2024, 11:57:23 PM
空が泣く
もう
「空が泣く」と君。
「空が泣く?」と私。
雨でも降るのだろうか。と考える私の想像力はこの程度で、君の考えていることが理解できないのが悔しい。
「どういうこと?」と素直に訊くと、
「雨が降るんだ」と君は空を見上げる。
その日は結局雨は降らなかった。
何で今そんな事を思い出すのかというと、
9/10/2024, 12:59:19 AM
世界に一つだけ