『愛を注いで』


育てた花もいつかは
枯れて地に伏し朽ちてゆく

それを寂しいと泣いてもいいよ

巡り巡ってまた逢えるまで
あなたの愛を覚えている

『心と心』


鏡写しの表と表
月の裏側は秘匿の園

探して探しても
「見つけないで」

寂しがり屋の隠れんぼ

袋小路の金糸雀は
唄を忘れさせてやらなくちゃ

『仲間』


終いは同じだ
俺もお前も

まっさらな魂が
堪らなく眩しいんだろう

欲しかったのは
俺もお前も同じもの

『手を繋いで』


僕ら一緒に生まれてきたの
始まりと終わりの双生児

君が天に還るその日まで
ともに傍らを歩んでゆく

『ありがとう、ごめんね』


たった一行
手紙とも呼べない紙片

たったこれだけ
骨も残らない

いっそ連れていってほしかった