莉禰

Open App
10/10/2022, 10:18:36 AM

『涙の理由』


朝焼けの中を君と二人歩いた
それだけのこと

10/9/2022, 10:23:59 AM

『ココロオドル』


地底の裏深く螺子を廻す
天上の幕がゆるりと上がる

機械仕掛の世界を嗤う
糸繰りの神様のお愉しみ

――たった一つきりのマガイモノよ
――また可笑しな舞台を魅せておくれ

10/8/2022, 3:46:54 PM

『束の間の休息』


天使を見ました。

曇天を背に朽ちた切株に腰掛け
行き道を確認するかのように
一点をまっすぐ見つめていました。

不意にこちらを振り向いたかと思うと
わずかに頬を緩めて微笑んだのです。

途端に夢から覚めたような心地になって
先程まで天使が見つめていた方角
そこに何があったか思い出そうとしたのです。

天使は口をきかぬまま立ち上がり
そのまま飛び去っていきました。

あの先には、
あの先にあるものは、

10/7/2022, 11:55:02 AM

『力を込めて』


踏み出せ。

お前の道がたとえ平坦でなかろうと
昼は陽が、夜は月が照らすだろう。

10/6/2022, 2:58:13 PM

『過ぎた日を思う』


手に手を重ねて
「年を取りましたね」
なんて笑い合って

たとえ取り零す記憶があっても
過去が消え去ることはないから

知らない他人同士になろうと
思い思いに語らいましょう

Next