莉禰

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『束の間の休息』


天使を見ました。

曇天を背に朽ちた切株に腰掛け
行き道を確認するかのように
一点をまっすぐ見つめていました。

不意にこちらを振り向いたかと思うと
わずかに頬を緩めて微笑んだのです。

途端に夢から覚めたような心地になって
先程まで天使が見つめていた方角
そこに何があったか思い出そうとしたのです。

天使は口をきかぬまま立ち上がり
そのまま飛び去っていきました。

あの先には、
あの先にあるものは、

10/8/2022, 3:46:54 PM