風が運ぶもの
ふわり ふわりと綿毛が飛ぶ
そこかしこに綿毛が飛び種を運び
土に還って命を繋いで行く
風は、そんな命の連鎖の手助けをする
無くてはならない運び屋なのだ。....
question
question あなたは今 恋をしていますか?
そんな質問がスマホのアプリ画面から
流れて来た。
アプリの宣伝文句なので意味は、無いのかもしれない 私の考え過ぎ 思い込みなのかもしれない....
思えば私のこの考え過ぎ 思い込みの
性分が私の恋の終わりの全ての発端だったのかもしれない
全てを相手のせいにして 私は、一方的に
終わりにしてしまった
相手の話も良く聞きもせず 唯々相手の移ろった気持ちばかりを責め立てていた様な
気がする。
もうずっと前からその兆候は、出ていた事を私は、薄々勘づいていたのにそんなわけないと信頼しているからと無かった事に
してしまった見なかった事にしてしまった
勘違いだと私の思い込み 考え過ぎだと....
そうして私達は、終わった.....
その時は、いっぱい泣いた 胸が痛んで
苦しんだ....
なのに私は..... また.....
私はスマホの画面の質問コメントに対し
私なりの答えを用意する為に画面をタップして文字を打つ
【何度失っても私は恋をする ううん恋が
したい 今度は、相手を思い合える様な
相手と手を取り合える様なそんな素敵な
恋がしたい】
AIが放った questionの答えには無って
居ないかもしれない.... また一方的な自分の想いをぶつけてしまった自分勝手な
答えかもしれない.... それでも.....
私は、誰かを好きになる事を諦めたく
ないから.... そんな事を思いながら....
私は、スマホの画面をスライドさせ
婚活アプリに登録した....。
約束
指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます
指切った。
そんな指切りげんまんの約束をして
私達は、別れた。
夕方の帰り際 宵闇になりかける頃
私達は、お互いの道にそれぞれ歩いて
行く彼女は、異界と呼ばれる裏道へ
私は、表通りにある自分の家へ
そうしてまた明日この道で 出会う
それが私達の秘密の約束
針千本を飲まない為のお互いの忠実な
約束だった....。
ひらり
氷の上でくるくると回りスピンする。
途端にスカートの裾もひらりと翻り
まるで羽が生えた妖精が氷の上で踊っている様だった。
軽いジャンプをして飛び上がり体を捻る
回転をしてしっかりと着地
最後に腕を天高く伸ばし曲の終わりと共に
指先を揃えポーズを決める
氷の女王の様に氷上に立ち
見事に貫禄を見せつけ観客を席から
立ち上がらせる様な歓声を受け
氷の女王は、その場を後にしたのだった。
誰かしら?
コンコンッと不意に聞こえるノックの音
「誰かしら?」声を掛けると不意に
鳴り止むノックの音
ドアに近付き扉を開けると其処には、
誰も居ない
風のいたずらかしら?
それとも見えない誰かさん....
扉を閉めるとまたコンコンッとノックの音
ねぇ あなたは、誰?
一体誰かしら?....