隠された手紙
あの人が 定位置としていつも座っていた
書斎の机の引き出しに隠されていた手紙
封筒の封を開けると そこには、不器用な
文字で書かれた私宛てのラブレターが
綴られてあった。
頑固者で意固地で私の言う事なんか
一つも聞いてくれた試しが無いあの人
そんなあの人が私に向けて柄にも無く
愛の言葉を囁いているその手紙は、
最初は、別人の様で信じられなかったが
長年連れ添った私には、あの人の言葉だと
言う事が頷けた。
「全く こう言う事は、生きている間に
言って下さいよ!」
私は、苦笑し 仏壇の写真の中で仏頂面を
携える あの人の遺影をやれやれと
見つめたのだった.....。
バイバイ
夕日に赤く染まった空 分かれ道に差し掛かり 君は、右に 私は、左に
君が「じゃあね また明日 バイバイ」と
手を振る。
私も同じ様に「バイバイ」と手を振り返す
また明日も学校で....
私達にとってのバイバイの挨拶は、
また明日 変わらず会う為の約束の言葉
また明日も元気で会うための再会の
挨拶なんだ!
旅の途中
『すごろく旅』と言う旅番組の企画で
関東圏辺りを旅する事になった
某芸能人の青年サイコロの出た目の数の
バス停まで行きそこで美味しいグルメや
観光スポットを探すと言う物だ
旅の途中暖かい地元の人の気遣いや優しさに触れ ゴールまであと少しと言う所で
天候が崩れ心が挫け掛けた時
地域の人の優しさを思い出し 何とか
ゴールに成功した。
ゴールに着いたら 思わず某青年は、
暖かい涙が零れたと言う....
そんな旅の途中のお話しでした。
まだ知らない君
まだ知らない君へ
これから出会う君へ
僕達 皆で君を歓迎するよ
だから どうか無事に生まれておいで
待ってるよ!
まだ知らない君を待つ者より~
日陰
太陽が当たる暖かい場所が恋しくなる
今日この頃
ふと 日陰を見るとぽつんと隅の方で
ひっそりと咲く一輪の小さな花を見つけた
太陽の日が当たってないから何処となく
元気が無く萎れた様に傾いていた。
何だか頑張り過ぎて 肩を落とす
社会人の背中に見えた。
私は、偶々手に持っていたペットボトルの
水をその小さな花に少しづつ掛けた。
そして、私の何気ない行動に太陽も
気付いた見たいに光をその小さな花に
当て始めた。
私は、それを見送って 心の中でその花に
(頑張って きっと少し休めばまた咲ける
様になるよ あなたの頑張りを見てくれる
人がきっと居る) その証拠の様に太陽の
光が花の方に完全に向き始めた。