Saco

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9/20/2024, 5:19:49 AM

時間よ止まれ

興味本位で、魔法で時間を止めてみた。

そうして、魔法を掛けた本人以外全ての
時間が止まった。

鳥は、空を飛んだまま空中で停止し
人間は、人形の様にピタリと動きが止まった。

そうして自分だけがこの空間で動けるが
しかし全ての時が止まっているのでやれる事が無い事に気付く
物の時間も止まっているので 本を読もうとして図書館や本屋さんにいったらまず
中に入れなかった。
自動ドアは、動かず手動ドアは、まず
手で持ち上げられなかった。
これでは、本を読みたくても手に取れない
スーパーや他のお店に行っても食材すら
手に取れない
何もできず自分の時間だけが進んで行くのは、唯の地獄でしかない....

そんな自分の興味本位の魔法実験は、
一日と持たず解除され
そして時を止める魔法は、禁術魔法に分類され魔法図書館の奥の奥 閲覧禁止の書庫に封じられる事となった。

そうしてまた一つ人類の夢だった願いの
因子が現実の物になると酷く危険な物に
なると立証されたのだった。....。

9/19/2024, 12:25:53 AM

夜景

ベランダで君と一緒に缶チューハイを
片手にビルが林立する夜空を眺める。

「普通 こう言う時って満天の星空が
見える綺麗な夜景をバックに乾杯する
ものじゃない」君がちょっと僕に対して
不満を露わにする。

僕は、それに対して....
「最高の夜景じゃない!高層ビルの星々の
様に点在する明かり 飲み慣れた
なじみ深い缶チューハイ片手に大好きな
君と飲めるんだからさ!」と大仰な事を
言って僕は、何とか誤魔化す。

今月も財布の中身がピンチの僕が
ホテルの最上階の夜景をバックになんて
夢物語も良い所だ

彼女は、そんな僕に苦笑して
「貴方の大仰な台詞を間近で聞けるのも
自宅のベランダならではだしね!!」と
彼女は、頬杖を突きながら僕を見つめた。

(あ....バレてる....)僕の懐事情を理解して
くれる寛容な彼女のおかげで僕は、
どうにかこうにか生きて彼女とこうして
簡易な夜景を楽しむ事が出来ている。

9/18/2024, 5:11:51 AM

花畑

小さな花が一輪 路傍の片隅にひっそりと
咲いていました。

小さな花の視線の先には、
綺麗な花畑が広がっていました。

(あ~あ私も皆と一緒に綺麗に咲きたい...)

小さな花の願いは、種となり その種が
風に吹かれて 花畑に飛ばされ
地面に埋まり そしてやがて芽となり
花畑に新しい綺麗な花が咲いたのです。

こうして小さな花は、皆の仲間入りが
出来たのでした。

9/17/2024, 12:50:06 AM

空が泣く

雨粒が叩き付ける様に私を打つ
あの人は、私を追い掛けてきてはくれない

何となくこうなる事は、分かっていた....
すれ違いの日々 冷え切ったラップを
掛けたご飯を食卓に置いてしばらく待っても貴方は、帰って来ない....

もしかしたら仕事が忙しいのかもしれない
仕方がない事と割り切られたらそれで
良かったのに....
段々とボタンの掛け違いが目に見えてきて
終わりの時がひしひしと足音を忍ばせて
近づいてきていた。

嗚呼....私が荷物をまとめて出て行っても
あの人は、気にも留めない
わざと土砂降りの雨の中出て来ても
後ろを振り返っても あるのは....
私の心を鏡で写したかの様な土砂降りの雨だけだった。
その大粒の雨だけが私の心に寄り添う様に
一緒に泣いてくれていた。....

9/16/2024, 12:24:56 AM

君からのLINE

ピコンと言う音が聞こえスマホの画面が
光った。
僕は、目を開けてベットから起きあがる。

LINEのメッセージを開いたら君から
怒り顔のスタンプと共に
『まだあ~』と言う呆れて待ちくたびれた
感じの文面が表示されていた。

(しまった~....寝坊したぁ~)僕は、
時計を見て九時をとっくに過ぎて
気づけばもうすぐ十時になろうとしている

僕は、急いで着替えて彼女に 
『ごめん寝坊した今から行く』とLINEした

今日は、彼女と十時に待ち合わせをして
映画を見に行く約束をしていたのに....

まさか寝坊した理由が明日が楽しみで
眠れなかったって言ったら彼女の機嫌も
少しは、直らないだろうか....
と言う事を期待して僕は、急いで彼女との
待ち合わせ場所に向かったのだった。

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