お祭り
人よりも耳がいいせいか、お祭りなどの場所へ行くと楽しむ事が出来ない俺。
まだ子どもの俺は、親に毎年のように連れて行かれる恒例行事。
そんな恒例行事の中でも一番の楽しみは脱走だ。隙をみてはこっそりと離れ、自由気ままに回っていく。人混みから離れ、近づき、どうするかは俺次第。美味しそであれば買っていく。
だが、人混みの中の一人は、一人の時よりも寂しく思ってしまう。楽しくはあるが、ずっと人の声がする。俺には苦痛だ。
そんな俺にいつも寄り添ってくれていたのが、動物だ。動物はただ傍にいて、人の事なんかお構いなし。そんな姿に癒やされる。
一人でも、動物がいなくても、今度は夜空がいる。
そして今は、彼らだけではなく、寂しがっている俺に気づいて追いかけてくれる友達がいる。もう寂しくないよ、ありがとう。
2
お前はいつも焦っているな。
何かをしたくて、何かをなしたくて仕方がないのに、何をすればいいのか分からないでいる。
それで闇雲に手を出しては完璧を求め、諦める。
そうやって頑張る姿は嫌いじゃない。だが、もう少し自分を労ってやれ。
周りが怖いか?捨てられるのが怖いか?お前はいつも周りを気にするからな、そういう性質なんだろう。
それは仕方ないし、お前自身どうにかしようとしている事を知っている。
だけどな、そのままではお前が壊れてしまう。私はお前の壊れた姿を見たくない。
だから、お前が悲しみに沈んでいる時は、黙って胸を貸そう、解決に向けていくらでも話を聞こう。お前が苦しんでいる時は、お前の精神的な苦痛も身体的な苦痛も取り除けるよう尽力しよう。お前が喜んでいる時は、共に喜ぼう。お前が一人で抱え込まず、たくさんの人に頼れるようになり、老いて死ぬその時までずっと傍にいよう。
安心しろ、とは言わないが、少しでも安らげるようになってくれたら嬉しい。
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