NoName

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3/2/2024, 10:56:37 AM

この形容し難い不安も、彼女に打ち明ければ少しは楽になるんじゃないか、彼女なら理解し、ともに歩んでくれるのではないかという希望。実際、何もわかってくれやしなかった。僕を静かに軽蔑し、それっきり彼女との交流は絶えた。その一つの希望は、僕の中で音を立てずに消えた。

7/31/2023, 1:14:54 PM

珈琲を啜りながら、本をめくる。深海のように深い静寂。思わず深呼吸してしまうような珈琲の香りと、ページをめくる微かな音だけが部屋に充満する。灰色の都会の雑踏から外れ、窓から静かに夕日が差し込む橙色の部屋。誰にも邪魔されない、僕だけの空間。この涼し気な青の静寂に包まれた部屋が好きだ。だから、一人でいたい。