るー

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8/19/2023, 11:38:21 AM

【空模様】
不穏な空模様だと急足に帰宅して幸いだった。家に着いて数分も経たない内に大粒の雨が窓に打ちつけ始める。
恋人は今頃どうしているだろう、この雨の中で寒い思いをしていないか、気圧性の頭痛に苦しめられていないか。メールでも送ろうかと思ったとき電子音がした。
『ひどい雨だけど、どうしてる?』

8/19/2023, 4:33:24 AM

【鏡】
鏡を見ることが嫌いだった。暗く澱んだ目を見返すことを、美しさとは縁遠い鏡像を突きつけられることを、恐れていた。
今もその思いは完全には拭えていないけれど、以前ほどには鏡と向き合うことは苦痛ではない。大切な人が繰り返し投げかけてくれる言葉が、勇気をくれる。
「今日もとても素敵だね」

8/17/2023, 7:03:58 AM

【誇らしさ】
 恋人の隣に立つとき、その美しい手を取って共に歩むとき、胸に輝くような誇らしさが満ちる。こんなに素敵で魅力的な人と恋仲なのだから誇りに思わずにはいられない。
 歩きながらそっと窺うとこちらを見ていた恋人と目が合った。尋ねる前に花の咲くように微笑んでくれる。
「あなたはいつも素敵だね」

8/16/2023, 7:26:35 AM

【夜の海】
 静かに横たわる夜の海を何も言わず見ていた。隣に立つ人も口を開こうとしなかった。それを自分への言い訳に、ただ黙り込んで水面を見ていた。
 波の音だけが響く静かな世界。柔らかな沈黙と穏やかな月光が二人を包み込んでいる。水晶の中に閉じ込められたかのような、泣き出したいほど美しい夜だった。

8/14/2023, 12:06:18 PM

【自転車に乗って】
 力を入れてペダルを踏みしめながら坂道を登る。眩しい夏の日差しが、流れる汗の感触が、心を躍らせる。
 この道の先には君がいる、2人きりのささやかな冒険に出かけるために僕を待ってくれている。今日は何をしようか、何を話そうか、考えるだけで胸は弾けそうに高鳴る。つい微笑んだ時、君が見えた。

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