まだ残暑が残る日の事だった。
僕は、咲き終えてしおれた向日葵畑で
麦わら帽子を被った彼女に出会った。
辛い。辛い。
死にたい。
死にたい。
でも、死ぬのは怖い。
僕の人生の終点はいつになるだろう。
愛してるのに伝えられない。
君は、僕の支えだけど遠い存在。
みんなに愛されている君が愛おしい。
君に愛されたくて辛い。
叱責されても馬鹿にされても笑顔。笑顔。
罵倒されても暴力を振られても笑顔。笑顔。
謝ってご機嫌とって毎日を過ごす。
泣きたくても我慢。
辛くても我慢。
偽物の形を守る為、今日も我慢する。
僕は、君との虚像を追いかけながら、偽物の形と今日を過ごす。
いつか、君と一緒に───。
「愛してる」と言われたくて。
「頑張ってるね」と言われたくて。
「幸せだね」と言われたくて。
「一緒にいよう」と言われたくて。
きっと、叶うと信じて僕は明日を生きる。
「大好き。大好きだよ。」
「今日も生きててくれてありがとう。」
「産まれてきてくれてありがとう。」
「僕を支えてくれてありがとう。」
僕は君の幸せを願っています。
僕との幸せを………。
自分にとって、特別な存在。
それは───
“ 自分が変わるきっかけを作ってくれた人”
その人に出会ったから、
弱い自分から変わろうと思えた。
その人に出会ったから、
このままの自分ではいけないと思えた。
そんな人。
唯一、自分で考えて自分で行動できる
“ 特別な存在”
それは、《自分自身》
とても大切な、唯一無二の存在。
誰かと違うのが当たり前で誇らしい事。
いつか、誰かの
“特別な存在 ”
になれるように───。
“君と一緒に星を見たい”
高校2年の夏、僕は彼女と出会った。
これは星空に憧れる盲目な彼女と冴えない僕の物語───。
5年間、私の傍で時を共にした犬が死んでしまった。
散歩中に、車に引かれそうな子供を助ける為に繋いでいたリードを外し、ひかれてしまった。
引いた車はそのまま逃げ去った。
信号が変わり、私はすぐさま横たわった犬に近づく。
弱々しい心臓の鼓動。止まらない血液。
──もう、ダメかもしれない。
と、脳裏をよぎる。
私はそっと抱き寄せ、
「…いい子だね。今まで…ありがとう…。」
と、涙を我慢し震えた声で伝えた。
苦しそうな顔をしていた犬の表情が和らいだような気がした。そして、息を引き取った。
悲しみに囚われた私に、空から柔らかな雨が降り始めた。
まるで、愛犬が優しく私を包見込んでいるかのように───。