「ウグイス」
ホケキョ
暖かくなり、春になった。
ホケキョ
ウグイスが鳴きながら、私は生まれた。泣いている私と両親。
私はウグイスという名前になった。
嫌い、嫌い、大嫌い
ウグイスなんて大嫌い
どうせ私はムシクイなんだ
高校に入り、私は人気な一軍に。そう、一軍に。
でも、内心わかってる。なりすましてるだけだって。勘違いの塊だって。
まるで、ムシクイのように、
「ウグイスは一軍。でも、ウグイスみたいなおまえはムシクイ。一軍なんか名乗るな。」
そう。どうせウグイスなんかじゃない。
そんな、きれいな名前、似合わない。虫をたべて、汚く育つのがあっている。
今日も公園のベンチで、ぐったりしている。
「…いけない、こんなにだらしなかったら、ムシクイ以下だ。飢え死にだ。」
カー、カーカラスはわめいて空を飛ぶ。私は醜くわめいてる。
「カラスはいいなぁ。はっきり黒でいてられて。勇気が出ないよそんなこと…」
それなら、白のフリしていたほうが、わたしは楽で居てられる。
自分と周りに嘘をつき、「私のライフはもう0よっ!!」なんてね…
今日も悲しくご飯を食べて、お風呂に入り歯を磨く。一般的なルーティーン。
寝るは、窓の外を覗く。「…寒…」
もう冬か…
一番好きな季節。10月6日のカレンダーの日にち。私の地域は、毎年、このくらいの日から寒くなる。
「…あと4ヶ月で春だ…」
一番嫌いな季節。季節っていそがしいなぁ、
あっという間に過ぎていき、みんなの心は暖まっていった。
私はただひとり、冬より寒くなっていった。
今日は私の誕生日。胸が苦しく、張り裂けそう。
誕生日は嬉しいもの?そんなはず無い…
誰もいわってくれず、今日もベンチでゆっくりと。
カラスは最近活動し始めた。
カラス達は私を見るなり逃げていく。またもや、またもやにげていく。
一匹のこり、寄ってきた。話しかけてくれている気がした。
膝の上に乗ってきた。この子は優しいな。
優しくない。私をわかってくれている。わかってくれていない。
どうせまた、裏切るんだ
ほら、やっぱりちがったよ。少し動いたら飛んでいく。どうやら、木かと思ったのか。
でも、それでカラスの役に立てるなら、そのほうがいいのかも
今日も普通のルーティーン。窓を覗いて一人でつぶやく、
つぎこそ
「ウグイスがこの世から消えますように」