君の背中を追って

スタートラインは全員同じだと思っていた。

黙れ。

思っていた？何も間違っていない。
皆、同じだ。

ただ個人に、強化がつくか弱体化がつくかだけだ。
スタートラインが自分だけ後ろだと思い込んで、
初めから他者を追う姿勢になったその時点で

お前は負けたんだ。

薄暗さは人の心を蝕む。
１人で立つ帰路、アスファルトに雨が触れた匂い。
条件は揃った。

消えていなくなりたい時に
誰にも見せられない涙を流す。

そして無理にでも笑っていれば
涙の跡も残らない。

雨の中に咲け。
私の満たされない心と、
私を縛る棘を携えた花よ

途切れる、言葉。

見ないで弱い自分を。
糸のように細い信念も。

何もありはしない。
虚ろに空。
こんなに体は重いのに。

自分の力で動かせない。
操り糸に縋りたい。

主人と繋がってない人形は
途切れた糸を探してどこへ行く。