打ち寄せる波がキラキラしているのはね、
太陽が光を注いでいるからなんだよ

ピカピカの光を放つ君がいるとね、
いつだってキラキラしてしまうでしょ

大きな満月がマンションの隙間から見えた。
思わず自転車を停めてスマホのカメラレンズを向ける。
あんなに大きく幽玄なのに画面の光は街灯のよう。

｢月がおおきくてキレイだよ｣なんてLINEを送って、
また自転車で走る。早く帰らないとアイスが溶ける。

強く大きく目立つものは、他を見えなくさせる。
確かにそこにあるとはしっているけど。

ブラウスの袖口に付けられたレース飾り
びりりと伝わる感触で鞄の金具に引っかけたのに気づいた
薄い布に咲いていた小さな花は2つに分かれて風になびいている

もう思い出せないや
残ったのは見返しもしない画像データ
味も気持ちも切り取ってくれたら
無慈悲にゴミ箱のマークをタップする事もないのに

僕の気持ちはたしかに存在しているが、
それがどのようなカタチをしているのか、なんて
誰がわかってくれるのですか。

同じになった気になって、通じ合った気になって、
違うと知ったら離れて行くことに
律儀に傷ついている僕のことに。