「あけましておめでとう。」
「今年もよろしくお願いします。」
去年までは、そんな声が暖かな空間とともに聞こえていたのだろう。
今日は1月1日。新年だ。
私は去年から一人暮らしをはじめた。正月くらいは実家に帰省するつもりだったが、生憎仕事が忙しく1人寂しく新年を迎えることとなった。
1人で居るのが好きである性格上、それも悪くないだろうと少し楽しみにしていたが、実際は普通に寂しかった。
昔は面倒に思っていた親戚と顔を合わせるという習慣も、今となっては大切なものだったのかもしれないと感じた。しかし!
もう今年は1人過ごす。この事実は変わらないのだ。
だったらもう、思いっきり1人を満喫してしまおう!と冷蔵庫から昨日の晩に買った発泡酒を取り出した。
でも、やはり虚しいので、明日は実家に赴こう。
きっと、知らないと思うけど、君と出会う前の私は誰かに隠れてひっそりと死んでいくような、そんな人生を送る予定だった。
そんな私を日向に連れ出した、太陽みたいな君。
最初はずっと疑問だった。私みたいな何も無い人間は隣にいていいものなのか、もっと似合う人がいるんじゃないかって。
でも、君は私に価値を見出した。私にしかないものを沢山教えてくれた。私の中の私が、何か変わった。
だから、私はもう、日陰に籠るのは辞めようと思う。
君と出会って、変われたのだから。
#君と出逢って
幸せとは、誰かの涙の上で成り立つものである。
誰か忘れたけど、教えてくれた人がいた。
私の物語がハッピーエンドで終わってしまうなら、他の誰かの物語はきっとバットエンドになってしまう。
それなら、私は幸せにならない方がいいのだろうか。
誰かにとってのハッピーエンドの為に、私はバットエンドを目指さなくてはならないのかもしれない。
そんな考えの人が沢山居たら、物語をハッピーエンドで終わろうとする人も、いずれは居なくなってしまうのだろうか。
自己中心的な人は、いつまでもハッピーエンドを目指すのかもしれない。
#ハッピーエンド
今日は待ちに待ったバレンタイン。
私はいつもチョコを用意しない。
色々面倒だったからだ。
でも、今年からは用意することにした。別にお返しが欲しい、とか彼氏が欲しい。とかそんなんじゃない。
なんだかんだで、日頃仲良しの友人とお菓子の交換が出来ることは、青春の1ページになる気がして。そういうのに無縁だった私は憧れを抱いていたから。
だから、あなたの分も。頑張ったから、受け取って?
ある人から聞いた話だ。
空が明るいらしい。
朝日は眩しいらしい。
それでも、どこか影を感じるって。
どこの話なのかは聞かなかった。
聞いたら「なんでそんな分かりきったことを。」と言われそうだから。
僕は馬鹿だから、わからなかったけど。分かる振りをしたんだ。
感じ方は人それぞれだし、分からない事が無様だとも思わない。
暗がりの中で悩む君が、可哀想に見えただけ。
だから、話だって聞くし君が満足するまで同意しよう。
それはきっと僕の本心じゃない。
だから、君はいつまでも暗がりの中から抜け出せない。
#暗がりの中で