花束、貰ったことがないもの。
誰からの花束が私の最初になるのかな。
せっかく貰うんだったら、センスが良くなくても、好きな色じゃなくても、気持ちがいっぱいこもってるのがいいな。
そんな、花束を。

いつか誰かにも送りたい。

優しくされても疑っちゃう。
嘘なんじゃないのかなって。

そんなに優しくしないでよ。
後で裏切られるのが怖いから

ああ。まだあったんだ。
あなたからの手紙。

机の端っこに置かれていた手紙は、2年前のもの。
その封筒、シール、紙、あなたの字。
その全てが懐かしく感じて、私はそれを手に取る。
震える手で私は柴犬のシールをはがす。
中にあったその紙は、無防備に私に姿を見せた。
私は思わずそれを鼻に近づける。
まだ、匂い残ってないかな。
そんなことを考えた。

期待を裏切られた私は、あなたの字の上に指を滑らせながら読んでいく。
あなたの声と顔と匂いが蘇る。
あの優しくて素敵な。

突然紙の上に雨が降った。
あれ、おかしいな。おうちの中なのに。
ぽつり、ぽつり
あれ、どうしてかなぁ、、やまないや。
ダメだよ止めなきゃ、
せっかくの手紙がぐしゃぐしゃになっちゃうよ、、。

久しぶりに泣いた。
久しぶりにあなたが傍にいた気がした。


一通り泣き終わったあと、私はその手紙をそっと封筒に戻し、父と母に見つからないように隠すのだった。

ばいいばい、昨日までの私

まだ旅の途中やん。
人生そんな簡単に終わらせちゃダメなんよ。
会いたい人がいる。
大好きな人がいる。
それってすごく幸せやん。

それだけで、おめでとうだよ。