飛べない翼
空を見上げるとふと飛びたいと思うことがある。
あの空で翼を広げて飛べたなら……なんてくだらないことを考えることがあった。
けれど、自分に翼があっても飛べはしないだろうなとも思う。
既に折られた翼は空に羽ばたくことは出来ないことは自覚していたから。
END
ススキ
通りかかった道で太一は道端に生えている淡く金色の植物に目を留めた。
それはススキと呼ばれる秋の植物である。
「あ〜もうそんな時期なんだ」
太一はススキを見て、そう呟く。
ススキを見るともう季節は秋なのだと実感させられる。
そう言えば、今年はお月さまは見れるだろうか?
去年は雨で見れなかったが今年は見れたらいいなと思いながら太一は再び歩き始めた。
END
脳裏を覗く
人の脳裏は様々だ。
何を考えてるのか、何を思っているのかは様々である。
そんな人の脳裏を覗いてみたいと時々思うことがあるがそれは難しいだろう。
覗くには、それ相当の研究や何かの装置で覗くしかないのかもしれない。
いや、そもそもただの思いつきでそこまでする必要はない。
それに人が脳裏の中で何を考えてるのかを簡単にわかっては面白くないのではないかと私は思っている。
意味があろうと
「復讐程、意味がないことは無いよな」
昼休み、一緒にご飯を食べていた優馬は友達の海斗と他わいもない話をしていた時にそう言った。
海斗が復讐って意味があると思うか?と興味本位で聞いたからそう答えたのだろう。
「だよな。でも…虐めとかに遭ってる奴には違うのかなってちょっと思う」
「当たり前だろ?俺たちには意味が無いけど、そういう奴等からしたら、散々自分を苦しめてきた相手に復讐をすることがそいつらにとっては意味があることなんだよ」
でも…と優馬は窓の方を見ながらポツリと呟く。
「それでも、結局は破滅するんだけどな。虐めた奴もそいつに復讐した奴も」
優馬の言葉に海斗はただ、「そうだな」と返すことしか出来なかった。
あなたが居たから私は
子供の頃、私はあなたに出会った。
幼い頃のあなたはとても素敵な人で、私はそんなあなたに惹かれていたのかもしれない。
あなたの輝きで私は暗い影に落とされてしまう。
だから、あなたに醜い嫉妬心を向けてしまう……私はそんな自分がいつしか嫌いになったの。
けれど、そんな私を輝かせたのはあなた。
あなたが居てくれたから、私は輝くことがきでる。
一番星のように輝き続けるあなたと……。
私はあなたと共に輝きたい……そう思わせてくれたのもあなたなのだから。