NoName

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4/23/2024, 3:24:12 PM

赤、青、黄色。沢山の色が隙間なく混ざり合う。キャンバスには、濁った1色の黒が残る。それは、何にも動じない安らぎのようなものすら感じられる。

「お前、黒好きだよなー。」

誰かの何気ない一言で、色に気づいた。好きなんじゃない。感情を描いた先に残るのは、黒だけなんだ。今日も、明日も心模様は結局、黒。真っ暗な夜の色なんだ。
たまに、流れ星が降るのを待つだけ。そんな心持ちで毎日を過ごしているだけ。

題:今日の心模様

4/1/2024, 4:04:10 PM

「嘘をついてもいい日を作ったのって、何でだろう。」
誰かが、呟いた言葉。その一言で、教室内は、喧騒で満たされた。
忘れていたという様に、咄嗟に嘘をつく者、考え込んでから、結局嘘をつかない者、人それぞれだった。
「俺、100歳まで生きる!」
俺の隣の席にいるやつはそう言った。
「人生100年時代にそれ言うか?」
俺は、ため息をつきつつ、返事した。だが、その後も話しかけてくるので、聞き流しながら、授業が始まるのを願った。

「100歳まで生きるって言ったのは、嘘だったのかよ。」
題:エイプリルフール