お題『心だけ、逃避行』

授業中、歴史の教科書を何気なく開く。

そこは大正時代。

どこか窮屈な時代。

ほんの僅かなページの中に、誰かの人生が、青春が、栄華が、絶望が、ここへ詰まっている。

お題『冒険』

いつもと少し違う道を歩くこと。
少しだけ道を逸れて、知らない神社の前を通る。見たこともない街並みが顔を出す。
いつもは読まない本を読むこと。
知らない人の言葉に触れる。見たこともないような挿絵かもしれない。
いつもと違う服を着ること。
可愛らしい服を着ていたけど、シャッキリしたスマートな服を着る。知らない自分が顔を出す。

それって、冒険だ。

お題『届いて.....』

お願いだ。
滅多に願わない私が、今、あの金平糖より小さな星たちへ願う。
最愛のあの人がどうか、明日、いい日になりますように。

お題『あの日の景色』

私は忘れたくない景色が沢山ある。
例えば家の庭。
例えば、小学校の校庭。
プールの中から見た、泡が空へ登るあのたった一瞬。
制服がずらりと並ぶ教室。
差し込む夕日が色付ける美術室。
お皿いっぱいのオムライス。

お題『願い事』

私の願い事はいつもきまっている。
「みんなの願いが叶いますように」
なんだかとても耳触りが良くて、無難だ。
陳腐な願いかもしれない。
都合がいいかもしれない。
けれど、誰かの願いが叶わないことを願うよりは、幾分か素敵だ。