ツユクサ

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5/31/2025, 10:44:55 AM

お題『勝ち負けなんて』

言葉に勝ち負けなんてない。

伝えたい思いがどれくらい伝わって、あなたの気持ちが幾分か、楽になれば良いのだ。

文章が巧みだから勝ち、文章が拙いから負けなんてことは無い。


世界の誰かが必ず心打たれる言葉をあなたは扱えるはずだ。


我々は言葉で人を幸せにも、呪うことも出来る、魔法使いなのだから。

5/30/2025, 2:08:07 PM

お題『まだ続く物語』

悪者を退治して、平和はもどりました。

めでたしめでたし。

本なら、そこで終わりだ。

でも、私たちはそこで終わりじゃない。
私たちは御伽噺の登場人物ではない。
誰もが等しくハッピーエンディングになる訳では無い。
誰もが祝福を受けられる訳では無い。

だから、共にご飯を食べよう。


君と視線が同じになるように座って、君と同じご飯を隣で食べる。
美味しいね、の一言で、少しでも、君と足を揃えたい。

5/29/2025, 10:52:37 AM

お題『渡り鳥』

駅のホームを颯爽と歩いていく。

街の横断歩道を、つかつかと。

かんかんと太陽が笑いかける暖かい日も、しとしと雨の降る冷たい日も。

黒や紺色の渡り鳥たちは向かっていく。

強く、強く、その日を、明日を、1年後を生きるために。

5/28/2025, 2:24:12 PM

お題『さらさら』

七夕の笹の葉はさらさらしている。

さぁあ、と音が出る。

家に竹が生えている。

さらさら。

女性の髪の毛みたいだ。

5/27/2025, 10:17:33 AM

お題『これで最後』

お弁当をつめた。
冷食の唐揚げ、かぼちゃコロッケ。だしが少し入った卵焼き。ブロッコリーとほうれん草のおひたし、プチトマト。好きだと言っていたから、小さくオムライスを作った。

きっと、これであの子に作るお弁当は最後。

毎朝大変だった。早起きが嫌だと思ったこともある。面倒臭く思うことも、自分で作れとも思った事がある。
でも、結局作ってしまう。習慣化したからというのが正しいだろう。
明日から楽になる。

少し遅く起きてもいい。朝ごはんは勝手に食べられるから。

それにしても、大きくなったものだ。身長がすっかり伸びて、大人に近付いている。中身はまだまだ幼い頃からのあどけなさが残るように思うが、実態はと言うと、それがあの子の性格なのだろう。

しみじみしてしまう。

「…おはよ。」
「ああ、おはよう。お弁当、よろしく。」
「うん。ありがと。」

ふ、と笑った顔は、昔から見てきた笑顔そのままで。

「行ってらっしゃい。」

なんて、笑いかけた。

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