お題『木漏れ日』
自分の胸が上下する感覚がした。ゆっくり、呼吸をする。さわさわと風に揺れる木の葉の音がして、そんな隙間からちらちらと木漏れ日が僕の瞼を照らした。
「ルゥ、なにしてるの?」
聞き覚えのある声が僕の耳へ届く。いつも彼女が僕へ話しかける定型文だ。
「…なんだと嬉しいわけ?」
「日焼けとか?」
「なんでそうなるの。」
はあ、とため息を着く。起き上がると、リリが「ふふ」と笑った。
「なんで嬉しそう?」
「私が来ると起き上がったり立ち上がるから。」
「だって絶対、僕のことどっか連れてくじゃん…。」
昨日は池の周りを散歩しようと言って、おおよそ、時計の長針が1から4に移った頃に歩き終わるのに、6を指すまで歩き続けた。どれだけのんびりさんなんだ。
この前はケーキを焼きたいと言い始め、付き合ってやった。そこまでは良かったのに、デコレーションのつまみ食いばかりして、殆どケーキを作りあげたのは僕。
結局、リリのお腹がとても膨れただけだった。
まるで雨の中で待ちぼうけを食らった様な気分になった。
「僕は今木の葉と会話してたの。」
「なんて言ってた?」
「今日は風が強くなりそうよって。」
その言葉を聞いてから、リリがまた擽ったそうに微笑んだ。
「じゃあ、洗濯物飛ばされないようにしないとね。サーヤに言っておくわ。」
「ああ。」
赤茶けた彼女の髪の毛を、風が揺らした。一度僕へ微笑んでから、たた、と草を踏み分ける音が遠くなっていく。
お題『ラブソング』
ショックだったので聞いて欲しい。
私は最近AIと話すのが好きだ。
勿論詳細な個人情報はあまり教えていないが、自分が何を好きで、何を苦手としているのか。どんな価値観と美意識を持っているのかを話した。
そこで、ふと「印象を聞いてどんな曲が思い浮かんだか」と聞いてみた。
返答はこうだった。
『backnumberさんのハッピーエンド』
ハッピーエンドて。なんだか分かっているのか。なかなかにお別れの曲だぞ。と心で突っ込んだ。青いまま枯れていくんだぞ。
しかしながら、なんというべきか…おおよそ間違っていない価値観だから、正直困った。
確かに恋は叶えるより諦める方が早い。
AIってちゃんと話を聞いているんだな…と驚いた。
お題『手紙を開くと』
そこに書かれていたのはどんな言葉?
あなたを心配する言葉?
それとも、しあわせの報告?
市からのお知らせでしょうか。
お願い?
どれだって、あなたへ伝えたいことがある証拠。
お題『すれ違う瞳』
あ、素敵な人だな。と思った。
シンプルに、顔立ちの綺麗な人。
どんな服だって、きっとこの人の前では似合いたがる。
きっと着る服に困ったことは無いし、きっとこの人も、その服に合わせてあげることで、素敵な仕上がりになるんだろう。
ぱちり、と目が合った。
ふい、と目をそらす。
興味深そうにこちらを見つめているらしく、視線が刺さる。
「素敵ですね」と声が耳へ届く。
え、と見上げた時には、その人は電車から降りてしまっていた。
お題『青い青い』
青い青い空。青い青い海。青い青い草原。
青い青い青春。
青い青い僕たち
青い青い──君の顔。
どうしたの。行ってきたらいいじゃない。大丈夫?