ルー

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5/9/2023, 3:05:06 AM

初恋の日

あの日に彼女に出会えて知り合ったことが奇跡だと、運命だと、そう思ったんだ。



今日から新しくメンバーが入ると聞いた。どんな人だろうか、まあ別に俺には関係のない話だ。そう思いながら扉を開ける。

時が止まったかのようだった。周りが煌めいてまるで世界が変わったかのように。

一目惚れだった。まさか自分がこんなことになるとは思っていなかった。

好きだ。好きだ。気持ちが止まらない。彼女のことばかり考えてしまう。

彼女はいつも明るくて誰に対しても優しいひとだ。でも時折悲しそうな表情をする。
どうしてその表情をするのか聞いてものらりくらりかわしてしまう。助けになりたいのに何もできない自分が、俺が、情け無く思えた。




最近彼女は、名がないガキを拾ったらしい。
“ ”という名をつけたんだ〜。
ともいっていた。

かなり羨ましい。実際会ってみたら愛想がない、不気味な奴だった。こちらが気を使って話題を振っても彼女の後ろに隠れるばかりだ。

5/7/2023, 6:49:05 AM

明日世界が無くなるとしたら何を願おう

「ねえ、“ ”。もし明日世界が無くなるとしたら何を願う?」
幼い時に自分(名無し)を助けて一緒に過ごしてくれた彼女はそう唐突にいった。
「突然でごめんね。他の人と話していた時にそういった話になったから、“ ”はどう思うのかなって。」

自分は、名無しはわからない。彼女がいてくれるのならそれでいい。そういった。

「そっか....。実を言うとね、私もわからないんだ。他の人は世界がこのまま続きますように、とか、大切な人に会いに行くって言ってた。貴方も私と同じ答えなんだね。」そう言うと彼女は寂しそうに笑った。



ふと目を覚ました。
名無しは、ジャックはどうやら昔の夢を見たようだ。優しくて暖かい日々の夢を。
彼女を仕方なしとはいえ殺してしまった己には過ぎた夢を。

仕事の準備をしながら考える。

“明日世界が無くなるとしたら何を願おう”

今ならこう答える。おごがましいけれども、彼女に、あの人にもう一度会いたいと。