夏の暑さから逃れるように飛び乗った電車の
車窓から見える大きな入道雲
手すりの側の席に腰掛けた私の
半袖から覗く腕を撫でるような冷房は冷えすぎる
背中にあたる陽の光は私を応援してくれてるみたい
あの雲の中に入れたら
言葉にできない思いを叫ぶ
降らせたいのは優しい雨
ゆっくり染み込んで
花を咲かせる優しい言葉
募った想いを抱えきれず
轟く雷と激しい雨
あの中に入って想いを叫んで
雲が届けてくれないかなんて
考えてしまう
むかつくくらいに晴れ渡った空
雨なんて降りそうもない
美しい夏の日
「ここではないどこか」へ行きたい。
そう思ったら、
深夜に散歩に出てみる。
見慣れたはずの街並みが知らぬ土地に感じる。
急行の停まらない、知らない駅で降りてみる。
なぜか懐かしかったり、
知っている場所に似た雰囲気だったり、
何かと共通点が見出せるかもしれない。
「ここではないどこか」は、すぐそこにあって、
行こうと思えばいつでも行ける。
「ここ」に気持ちを置いていくことが、
「ここではないどこか」にいくための切符だ。
気持ちを持ったまま行っても、そこが次の「ここ」になるだけ。
また、「ここではないどこか」を探し求めることになるだけだ。
子供の頃はいくつもの世界を持っていた
だけど成長するにつれ
現実の世界がどんどん大きくなっていって
心の中のいくつもの世界は終わりを迎えていった
大きくなっていった「現実」という名の世界では
私は自由じゃなかった
見かけよりも小さく
不透明な世界だった
好きな色に染まる
その時々でなりたい自分を想像して
何色かなって考える
何色に染まってても
いくら汚い色だと言われようとも
自分で綺麗だって思えていれば大丈夫
十分幸せ
誰かに「綺麗」って言ってもらえたら、
もっと幸せ
いくら追いかけたって追いつかない
ユートピアのことを未来と呼ぶのだと
手の届かない月を見て思う。