「死にたい」
そんなことを言うと絶対に言われる言葉。
「生きたくても生きれない人がいるのに」
「あなたが死にたいと思った日は誰かが生きたかった日」
「かまってちゃんじゃんwww 」
顔も知らない誰かが生きれなかったんだから生きなさいってこと?
冗談とかノリだと思ってるの?
私の苦しみも何も知らないくせに。
誰かのために生きなきゃいけない世界なら私はいらない。
完璧な両親、優秀な弟、可愛い妹、出来の悪い俺。
俺だけが何でも平均以下。
劣等感を抱え生きるのももう疲れた。
一度で良いから周りよりも優れているんだと優越感に浸ってみたい。
そんな無駄なことを考えながら何の意味もない1日を終わらせる。
毎日変わらない面白味もない日常それが俺の人生だ。
「一年後何したい?」
無機質な白い部屋のベッドの上でそう聞かれた。
「私に一年後なんて来ないよ。」
なぜそんな分かりきったことを聞くのか分からなかった。
私に一年後が来ないことを告げたのは先生じゃないか。
私は、生まれてからずっと病気と戦っていつ死ぬかもわからない恐怖に怯えてそんな生活から抜け出したかった。
そんなとき、私の体はもう一年ももたないことを知った。
私はやっと解放された。
そう思ったのに、どうして先生がそんなこと言うの。私が考えを巡らせていると先生が口を開いた。
「今流行りの終活やってみたらどうかなって。はい、これ!」
私の好きな色の大人っぽいノート。
最初は無理なお願い書いて先生を困らせよう始めた。病院からは出れなかったけど食べたいもの、欲しいもの何でも書いた。交換日記もした。先生は忙しいはずなのにいつも時間を作ってくれた。
そんな生活をしてたら半年が過ぎようとしていた。
私の心には「死にたくない。もっと色んなことしたい」ずっと押し込めていた気持ちがあふれでてきていた。
「生きたい」そんな気持ちは初めて発作を起こした日に捨てた。それなのに、、、。私は終活を止めた。これ以上は駄目だ。死ぬことが怖くなってしまう。
余命を告げられたのは桜が咲く春。もう蕾がなっている。
もうすぐ一年だ。せめて桜が咲くのを見たかったな。もう私は駄目だよ。そのまま私は眠るように同じ病気で死んだお母さんのところへ行った。
「先生は私が死んだ後終活のノートを見ただろうか」
そこに先生の最初の質問の答えをかいたんだ。
もう私は確かめられないけどね。
「一年後先生と桜がみたい」
「子供の頃は毎日楽しかった。」
「小学生に戻りたい」
「中学生に戻りたい」
「高校が楽しかった」
「大学が楽だった」
「あのときこうしておけば」
いい加減気付こうよ
今が一番大切で楽しいことに。
「私ね、本当は男の子になりたいんだ」
私の一番の親友は突然そう言った。そして泣きそうな声で「気持ち悪いと思う」私にそう聞いた。その子は村一番の可愛い子だった。そしていつもピンクのフリフリの服を着ていた。「何で私に話してくれたの?」私は驚きながら聞き返した。私は誰にでも平等に優しくできるわけでもないし完全に差別しないわけでもない。気持ち悪いというよりどうして私?そう思った。その子は泣きながら話し始めた。
本当はピンクより青や黒がすき。スカートよりズボンがはきたい。「どんな色が好き」って聞かれてもピンクだよねって言われる。全部が辛い。そう言った。
私も赤より青がすき。「どんな色が好き」そう聞かれて青って答えるとみんな変な顔をする。生きにくい。
誰が女の子は赤。男の子は青。って決めたのだろうか。大きな町では心とからだの性別が違うことをトランスジェンダー又は性同一性障害というらしい。なぜ障害なのだろうか。好きな自分を表現したら女の子らしく、男の子らしくって。色んな人が自由に自分を表現できる世界ができれば良いな。
[好きな色]