「たまには」
いつもと違う道を通る。
1時間早く起きてみる。
初めての曲を聴いてみる。
空を見上げてみる。
たまにはそんな日があったっていい。
世界は常に変わっているのだから。
部屋でイヤホンを付ける。大好きな音楽を流す。
この時間が、私にとっては大事だから。
この世界の嫌なことから自分を解放する時間。
逃げなんかじゃない。自分の心が壊れないように自分で守る、立派な正当防衛なんだ。
さあ、貴方もどうか胸を張って。
「0からの」
何かを0から自分でやるって結構大変だよね。
何が正解か分からないし、もし1人でやるならしんどいこともあるかもしれない。
でも、今までの歴史は、誰かが0から始めたからあるんだよなぁ…。
誰かが一生懸命頑張って、何も無かったところからこの文明、この地球を創ってきた。
ということは、今の地球ってすごいのかもしれない。
私はその数え切れない「誰か」にしみじみと感謝をしながら、今日の朝ごはんを口に運んだ。
「バレンタイン」
最近、メイクが上手くなったと感じる。
元の顔が変わったかはちょっと怪しいけど、2年前の写真と見比べると可愛くなった…ような気もする、私的には。スキンケアって色々あって難しいんだもの。
髪も前より気にかけるようになったな。
相変わらずファッションセンスは無いけど、雑誌とか見て「ああそういうことか」って理解できるようにはなった、成長だね。
全部、2年前のあの日から努力してきたことだ。
そんなことしてるうちにあと1ヶ月で卒業らしい。
今までの日々を、ひたすらこの日の為に突っ走ってきたように感じる。
整えた前髪、悩みに悩んで決めた服、バッチリのメイク、手に持った小袋、考えてきた言葉。
メッセージを送った手と彼を待つ足が少し震える。
深呼吸。
ああ、どうか実りますように、今日までの2年間。
「待ってて」
彼かいなくなってどれくらい経ったのだろう。
半年?1年?もっとかもしれない。
私には彼が生活の中心で全てだったし、きっと彼も私がいないとダメだった。
周りになんと言われようと、2人で支え合って過ごしてきた。
私たちはずっと一緒なんだ、一生添い遂げる運命なんだ。
それなのに、彼が突然居なくなった。
事故だ。逆走するスピード違反の車に轢かれた。即死だったそうだ。
それでも私は生きてきた。
彼の写真、音声、生活していた形跡全てを使って、今まで通り。彼がそこにいるかのように。
…でも。
ああ、ようやく、また一緒に笑える日々が来る。
「待ってて」