〚好きだよ〛
_すき。_
その一言を、あの人に伝えられなくて。
僕のみせた好意も伝えられなかった。
彼が友達と笑ってる。
しあわせそうに。
先生に無視される日々。
前は、ちゃんと接してくれたのに。
同級生が先生に言ったよ。
"あいつは、人間じゃないです。幽霊ですよ。"
ってさ。
そのころからこんな日常。
その周りの同級生にも、僕がみえないみたい。
あしたもすてきな日になりますように。
〚桜〛
あの人は、桜色の眼をしていた。
僕と眼があって、ふふっと笑ってくれた。
僕の初恋。
でも当時あの人は、女の子の恋人がいたよ。
その子の眼の色は、海色で。
茶色のロングヘアだった。
かれらは、桜よりも海よりも。
綺麗な性格だったんだ。
あしたもすてきな夢がみれますように。
〚君と〛
あるくように。
道をずっとみつめて。
彼をみつめるように。
僕も隣をあるかせてよ。
彼をみても、彼は気づかない。
みつめているはずなのに。
ねえみて。
僕は、あなたの眼の前にいるんだ。
でも気づかないでしょ。
知ってる。
あしたもふしぎなことが起こりますように。
〚空に向かって〛
空にいきたい。
でも僕はこの世に、未練があって。
成仏もできそうにない。
彼が僕にはなしかけに来てくれた。
そのあと彼は、笑顔で走り去って行った。
空をみれば。
たくさんの人がいて、おばあちゃんもおじいちゃん
も僕を待っていた。
はやくおいでって。
あの人が15年前口にした。
"俺たちは来世でもこうしていきていけるかな"
その数日後に、あの人はこの世からさっと
いなくなったの。
あしたもすてきな日になりますように。
〚はじめまして〛
ひとり教室で、そらを眺めてた。
うしろからとことこと音がする。
"あのここって、1組であってる?"
そう僕に聴くひと。
"はい"
10分後には、たくさんのひと。
まるで、かれらは僕がみえるようだ。
席につくと。
隣の席の子がはじめましてと口を動かす。
僕もおなじ言葉をいう。
この言葉をここで発したのは、今日で10年目。
担任の先生がぼくらの名前をいう。
なぜか、僕の名前をいわない。
"先生、このこ名前言われてません"
そう聴いた先生は、僕に名前を聴いて。
そう紙にかいたのだ。
あしたもすてきなことが起きますように。