〚はじめまして〛
ひとり教室で、そらを眺めてた。
うしろからとことこと音がする。
"あのここって、1組であってる?"
そう僕に聴くひと。
"はい"
10分後には、たくさんのひと。
まるで、かれらは僕がみえるようだ。
席につくと。
隣の席の子がはじめましてと口を動かす。
僕もおなじ言葉をいう。
この言葉をここで発したのは、今日で10年目。
担任の先生がぼくらの名前をいう。
なぜか、僕の名前をいわない。
"先生、このこ名前言われてません"
そう聴いた先生は、僕に名前を聴いて。
そう紙にかいたのだ。
あしたもすてきなことが起きますように。
〚またね!〛
_さようなら_
とは云えずに。
"また"
と云う。
離れたくない。
あの、教室。
今年もまた新しい生徒が教室にくる。
明日もすてきな日になりますように。
〚春風とともに〛
風にふかれて。
髪がなびく。
耳元で、音が聴こえる。
去年のクリスマス。
イルミネーションの下で、みんなは抱き合うよ。
彼がうしろで僕はじっとしてさ。
彼は僕がいないようにふりかえって、他の友達の
場所に走り去ってしまったんだ。
春風が教室にはいる。
今年もまた、みんなに気づかれずにやっていける
かな。
明日も会話ができますように。
〚涙〛
気づいてよ。
前まで、仲良かったのに。
今では、僕の存在を無視される日々。
あなたは僕がみえなくて。
同級生と担任の先生だけは僕がみえる。
20人なはずなのに、僕のクラスは21人。
幽霊がいると疑われる日々。
でもみんなの予想は当たらなくて。
僕が幽霊のことも、ばれてなかったのに。
ばれてもよかったよ。
でもそのときだけは、みんなとおなじ人間で
いたかっただけなんだ。
わがままな僕をさがして許して抱きしめて。
明日もすてきなことが起こりますように。
〚小さな幸せ〛
_しあわせなんて、最近は感じてない_
そう想えば想うほど、感じなくなる。
みんなで食べたからおいしかった夕飯も。
今じゃ、僕抜きでおいしそうにたべてる。
声をかければ、会話は続くのに。
今は、声をかけても喋ろうとしても無視される。
まるで僕の姿がみえないみたい。
頑張って受け止めてた注文も。
今じゃ、受け止めれなくて。
なみだが空を飛んでいるようだ。
_大丈夫、大丈夫_
だと抑え込んできたなみだも、拭き取れるんだ。
僕の名前を呼んでほしくても。
みんなは2つの耳を閉じて、紙に"ごめん"と
書くだけ。
gonna be fine
明日もすてきなことが起こることを信じてます。