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9/5/2025, 4:32:39 PM

信号

 信号が青に変わるのを待ってた。
信号は変わった、なのにここから一歩も動けない…

どうして?どうして?どうして??
私はただ家に帰りたかった…

でも、帰れないの?なんで?なんで?
来る日も来る日も信号が変わってから歩いてるのに、どうしてまた信号を持たなきゃいけないの?

なんで他の人は進めるの?どうして?なんでなの?
「もう嫌だお家に帰りたいだけなの…」
あたしは堪らず呟いた。でも誰もあたしのことなんて見向きもしない…
ちゃんとルールを守ってたの、お願いだから帰らせてよ。







































『ねぇお母さんあのお姉さんいつもあの横断歩道にいるね。お家に帰らなくていいのかな?』
 無邪気そうに娘が指差す先には、いつも通りの信号があるだけだ。
何となく気味が悪く娘を連れて早足でその場去った。

 後で義母から聞いた話だが、一昔前に女子高生が信号を渡ってる最中にトラックが女子高生に突っ込む事故があったそうだ。
 女子高生の家族はこの地にいるのが辛くて遠い地へ引っ越し、女子高生は意識不明のままと転院したと聞かされた。
今もまだ女子高生はあの信号を変わるのをずっと待ってるのか…

9/4/2025, 11:40:12 AM

言い出せなかった「」

言い出せなかったから行動で示した。

「あなたが居なくても私は生きていける」

だからあなたに関するものは全部処分した。
どこでどうなろうと私は知らない!
だから二度と関わろうと思わないでね!

9/3/2025, 1:19:23 PM

secret love

「好きな人ができた…離婚してくれ」
 ある日突然夫に言われた。
いつも通り朝ごはんを用意して、そしていつも通りの日常が始まると思っていた。
でも、不思議と驚きはしなかった。
心の片隅でいつかこうなるんだろうなと思っていた自分がいた。

「いいわ、分かった。離婚してあげる」
 まさかすぐに了承すると思わなかったのか、鳩が豆鉄砲を食ったような顔する夫。
最近、あなたと会話しようとしても貴方はどこか上の空。
今までスマホなんて仕事先の連絡ばかりだったから、鍵なんてかけてなかったのに鍵をかけてコソコソしてるから、何となくだけど浮気を疑ってた。
さぞかし新しい恋人との秘密の恋は楽しかったでしょうね。

 ええ本当に心底腸が煮えたぎるけど、私じゃあなたを笑顔にはできないから潔く別れてあげる。
 あなたにはもう教えないけど、私はあなたに心の底から恋して、そして愛していたの。
叶うなら私の手であなたを幸せにしたかったわ…


9/2/2025, 1:24:20 PM

ページをめくる

 父方の祖父母の家に来た。
ばあちゃんの家に来るのは何年ぶりだろうか?
この家に遊びに来ていたのは、もう随分昔のことだ。
 両親が離婚した、来なくなった理由はそれだけだった。
幼い俺は離婚の意味や、ばあちゃん、じいちゃんに突然に会えなくる理由が何一つ分からなかった。

 両親が離婚するまで、ばあちゃんたちの家に遊びに来るのが好きだったことは今も覚えてる。
『冷えたスイカあるから食べてけぇ』
祖母が祖父が畑で育てたスイカを夏の季節は出してくれた。
甘くて瑞々しいスイカをじいちゃんと庭でスイカの種を飛ばして競争したり、虫取りをしたりした。
夜寝る時ばあちゃんが何か書いてるの、ばあちゃんに
「何書いてるの」を聞いたような気がするを
あの頃が子ども時代で一番幸せだったのだろう。

 自分の両親の関係は冷え切っていた。
母方の祖父母とは会うことは会った。でもばあちゃんたちほど思い出は無い。
離婚後は母に親権を取られて、そしてじいちゃんたちとはそれっきり。

 じいちゃん、ばあちゃんは元気だろうかといつも考えてた。
大人になったら会いに行こうと思ってた。
そんな矢先にばあちゃんたちの訃報を聞いた。
車両事故だったらしい。
母親が父から連絡がきたからと教えてくれた。
でも、通夜も葬式も終わった後だった。
「なぜすぐ教えなかった」と怒鳴ったことだけは許してほしい。
色んな気持ちを抑えて、両親が別れてから初めて父に連絡とることにした、そして今に至る。

 じいちゃんたちの家に来た、記憶の頃より家が小さく見えた。
仏壇に手を合わせた。あの人たちはこんなに小さくなかったのにと思わずにいられなかった。
そして父とは気まずかったが、昔の話もできた。
父に「これをなどうしても渡したくてお前を呼んだんだ」
それは古ぼけたばあちゃんの日記帳だった。

 ページをめくるたび俺のことが書かれてた。
スイカを食べたことや、俺が小学生になったこと、誕生日を迎えたこと色んなことが書かれてた。
 そしてある日を境に会えなくて寂しい、元気でいるからしらと、じいちゃんは「今頃でっかくなってるぞ」をよく口癖のように言うようなった書かれてた。

 ページをめくると、じいちゃんやばあちゃんの顔が鮮明に思い出せる。
でもページをめくるたびに、もうじいちゃんたちには会えないんだと思い知らされるようだった。

9/1/2025, 10:26:55 AM

夏の忘れ物を探しに

 夏の忘れ物した、いつ忘れたのか、でも何を忘れたのかさえ何も分からない。
ただ忘れたあの日から、胸の中に何ともいえない寂しさがいつも燻ってる。
自分は夏に何を忘れてきたのだろうか?

 だから探しに行こう。少なくとも後悔し続けるよりは幾らかマシだろうから。
何を忘れたかも分からない、でも忘れてはいけない大切なものだったことは分かるから…


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