君から手紙が来た
もう来ないと思っていた
お互い忙しくて、手紙を書くのも読むのも、難しかったから
久しぶりに見た宛名の文字はやっぱり綺麗で、でも少し癖があって
君のこの文字がまた見たいから、今日はちゃんと、返事を書こうと思った

君はいつも、遠くを見ている
ある一点を見つめているようで、どこも見ていないような、そんな瞳で
君と僕の視線が交わることはない。そう思っていた
でも今日、その一瞬だけ、君の瞳が僕を捉えた
…そんな気がした

あの夏の日の、青い海
あの晴れた日の、青い空
あの道端の、青い花
君と見ていると、全部全部美しくて、輝いていて

君と笑った、青い春

「甘いの好きじゃないから」
そうカッコつけてコーヒーを飲む君の顔、今思い出してもちょっと面白いなんて思ってしまう
「貰ったから食べるだけ」
そんなことを言って僕があげたクッキーを食べる君、ちょっと幸せそうな顔をしていた
「たまたま出たからあげる」
そう言って、欲しかったアイスの形のキーホルダーを渡してくれたよね

どこまで嘘かわかんないから、いつか種明かししてくれるかな