クラスの子たちは君以外どうでもいい
だってそこまで好きじゃないし
大事にしたいとも思わない
適度な距離が1番
だからお菓子にでちゃった
たぶんクラスの子たちにあげたお菓子は美味しくない
めんどくさいって思いながら作ったから
某おじさんみたいに美味しくなぁれなんて気持ち込めてない
あげれればいいの
みんなは安い材料で作ったちっちゃいパウンドケーキ
でも君には、特別だから
これは甘いと思うし美味しいよ
だってちゃんと喜んで欲しいって思って作ったし
年に一回ぐらいしか作らないから心配だけど
食べて
「君だけだから、これ」
そう言って内緒で渡した
マフィンは美味しい
ん?それ?
学校の時計あるじゃん
上の方に飾ってるやつ
その時計の秒針がさ、たまに狂って
めっちゃ速くぐるぐるする時あったじゃん
俺あれ好きなんだけど
授業中誰も気づいてない俺だけが見たっていう状態で
ぐるぐるするときがあって
周り見てもみんなきょろきょろしてなくて
焦ったけど
なんか1人だけ異空間に飛んだ気分になってさ
自分だけ特別感出てたよね
あれ?これ俺だけ?って
まぁ実際そんな事なかったんだけど
全部において平均だった俺はそれが好きだったんだよ
だから
今日それ思い出して買ってきた
速くぐるぐるしないかなぁ、秒針
言葉にしたかった
でも小骨のように喉につっかかって声も出なかった
頭の中で言いたいことはぐるぐるするのに
何を言えば分からなかった
どの言葉が正解なのか
どうすれば傷つけないか
こんな経験したことないから黙った
今日は日差しが強く
その内汗がかいてきて首はしっとりした
「………やだ」
何分経ったか
やっとの思いで出した言葉は幼稚じみてて笑える
ふと困った顔
もともと困り眉の君にはよく似合う
言えない
悲しい
僕には
止める勇気なんてなかった
ずっといれるよな
だって俺達幼馴染
切っても切れないし
きっと前世も一緒だったんだよ
お前だけだから
こんな気許せるのも
お前、俺が学校で弱いとこ見せないの知ってるじゃん
そう、そういうこと
この話何回目?そんなの何回でも話す
大事なことだから
お前のことはお前より知ってる自身あるし
普通でいようと頑張ってるのも知ってる
でもな、俺とお前はずっと一緒
未来永劫永遠に
どんまいどんまい
お前が普通になる日なんて来ないよ
俺にせいぜい縛られ続けてくれ
ミレニアム幼馴染よ
ゆーらゆーら
懐かしー
昔はよく遊んでたな
二人乗りとかして
飛び降りて1番遠くに着地した人が勝ちとかあったわ
昔住んでた地域は公園がいっぱいあって
必ずブランコあった記憶がある
どんなにちっちゃい公園にも必ず
しかも誰も通らないような公園だった
1人分しかないから子供は誰も使わなかったけどな
敷地小さいし
あれ、なんで1人分だったんだろう
…ははっ俺みたいなやつの為なのか?
虚しくプラスチックの板に座り足で揺らす
広い空間に俺1人とブランコ
キシキシする服を脱ぎ捨て勢いよくこぎ始める
ゆーらゆーら
小さい頃
戻りてぇな