二人ぼっち
中学生のとき何かの機会で合唱曲を選ぶことがあった
確か「卒業生を送る会」用みたいなものだったと思う
私は自分が好きだった小学校で歌った曲を推薦した
どんな曲かを聞かれアカペラで歌うことになった
同じ小学校で分かる子がもう1人居たので
パートに分かれて歌うことにした
二人ぼっちの合唱だった
伴奏も何もなかったけれど
歌っている間に寂しさは感じなかった
広い世界のワクワクする感じがみんなに届けと思った
結局その曲は採用されなかったのだが
その時のことをまだ覚えているってことは
自分の中ではひとつの良い思い出なんだと思う
いや採用されなかったことを恨んでるのかもしれない
時折その合唱曲は今でも口ずさむ
―――With You Smile
夢が醒める前に
たまに同じ夢を見る
私が車で事故を起こしそうになる夢だ
夢の中では私が1人で車を運転している
道は少し長い下り坂になっており
降りたところに直進と左折の丁字路がある
シチュエーションは何の変哲もないのだが
唯一の変な点を挙げると
私の背が幼稚園くらいに低いことだ
普通に座るとアクセルに足が届かない
ハンドルの足下に潜り込むような形で
無理な体勢でないとアクセルは踏めない
もちろん前方を見ることはできない
アクセルを踏み下り坂で少し速度が出たところで
アクセルから足を外して体勢を戻して前方を見ると
丁字路でトラックと乗用車が立ち往生している
ブレーキはもちろんアクセル同様に足が届かない
「まずい」と思ってハンドルを切るが…
いつもここで目が醒める
だから実際に事故ったかどうかは分からない
しかし難を逃れることは難しく思える
夢が醒める前にハンドルを切りながら
「またか」と思っている自分がいる
いつかは別の世界線に行くことは出来るのだろうか
胸が高鳴る
先月260万ドルが当たる夢を見た
その日にジャンボ宝くじを買った
きっと高額当選するに違いない
胸が高鳴る
不条理
世の中は不条理だらけ
正直者は救われない
泣かないよ
思えば中学生の頃からだろう
漠然と現在の自分のイメージが見えていた
人前で話すのが苦手で生きるのに苦労する姿を
憐れで泣きたくなる姿である
そうならないために克服する時間もあっただろう
でもやらなかった逃げるという選択をし続けたのだ
だから泣かないよ
泣く資格なんて持ち合わせていないのだから