怖がり
怖がり 臆病 小心者
どれも自分にぴったりだ
虚勢を張り周りを困らせ
失敗を恐れ何もできない
自分自身に愛想を尽かす
星が溢れる
最初は些細な気だるさから始まる
気だるさは気付くと軽い頭痛へと変化していき、
鼻の通りなども徐々に悪くなる
さらに重くなると目の奥が痛むようになり、
悪心もするようになる
ここまで来ると身体は休息を求めるようになり、
欠伸が止まらなくなる
それでも終業まで正気は保ち、
脇目もふらずにそそくさと帰宅する
電車の中では逃げ場がなくなり、
精神的にもピークを迎える
頭痛は相変わらず続いており、
きーんと耳鳴りも時折する
冷や汗のせいか悪寒が走り、
お腹も少しゆるくなる感覚がする
余計なことは考えないで、
目を閉じ最寄り駅に着くのを待つ
そうして着いた駅のホームに降りた瞬間だった、
その日は特にひどかった
星が溢れるばかりに視界全体が真っ白になった
耳もくぐもった感じでまともに聞こえない
バランス感覚が怪しくなる
直感的にも"ヤバい"と思った
しかし意外にも頭は冷静に働き、
咄嗟にホーム上のベンチを探す
真っ白な視界の中で感覚的に移動した
途中誰かとぶつかり謝った
何とかベンチを発見して座り、
しばらく目を瞑り意識を安定させた
週明けに体調を崩すことはままあったが、
倒れそうになるのは初めてだった
ふらふらな状態で食欲も何も無くなるが、
家に帰り寝てしまえば翌日はけろっと元通りになる
この日も特に例外では無かった
しかしつらいものはつらいので、
なるべく体調を崩さないようにしたいものである
後日誰かとぶつかったホーム上の位置を確認してみた
そこには掲示板があった
どうやら私は掲示板に謝ったようだ
安らかな瞳
感情は合わせ鏡のように他人に伝播する
喜びに触れれば嬉しくなり
怒りに触れれば腹立たしくなる
哀しみに触れれば辛くなり
楽しみに触れれば明るくなる
なるべく心を穏やかに
安らかな瞳を浮かべつつ
笑顔で接しようとするのは
平穏無事な日々を過ごしたいと
いつも思っているからであろう
ずっと隣で
末っ子に生まれた性分か
自分が何かをやるよりも
誰かが何かやる所を見る方が多かった
だから干渉するでもなく
ずっと隣で見守るのは大して苦でない
しかし時々思う
果たしてそれは
尊重しているのか
主体性がないのか
思いやりなのか
無責任なだけか
表裏一体な堂々巡りに
うっとうしさを覚える
もっと知りたい
洪水のように情報が溢れ出す現代社会
もっと知りたいという知的好奇心は検索ひとつで満たされる
少し前まで検索すれば何でも知れて便利だと喜んだ
しかし近ごろ脳がオーバーフローして悲鳴をあげている
覚えていられるのはほんの数日、数時間
暫くしたら内容を思い出せなくなる
頭の中は断片化された記憶だらけ
必要ならばそれで再検索して内容を思い出す
日々繰り返す同じ所作に虚しさを感じる
自分の頭が自分の頭の中から無くなってしまったようだ