嵐が来ようとも
洪水に浸っても
ギリギリまで走る
それが我らの西鉄バス
(福岡県民以外に伝わるかな)
#お祭り
集合時間に遅れた僕は、花火大会の最寄駅から電話をかけた。
「みんなどこにいる?」
「公民館の横の広場に座ってるよー!香澄も来てないんだけどその辺おらん?もうすぐ駅だってLINE来たんやけど」
周囲を見回すがいないので、女の子を1人ほっとくわけにもいかず待つことにした。
数分後、音がした。
夜空に火花が散った。
ここからでも少し見えるんだ…
とその時後ろから僕を呼ぶ声が。香澄だ。
「水川くんごめんね、待ってくれてたんよね?」
「いや、さっき着いたからどうせなら一緒に行こうかと思って。」
また大きな音がして、今度は花火の半分が見えた。
「ここからでも見えるんやね!駅の端っこ行ってみようよ、あそこ人が集まってるからもっと見えるんやない?」
香澄はキラキラした目で僕の袖を引っ張った。
「特等席見つけたねー」
花火が打ち上がるたび、笑う彼女がなぜか眩しくなっていく。時が止まればいいのにってこういう時に使うのかと知った。
#神様が舞い降りて、こう言った。
人間の醜さ、見てらんないんだけど。
騙すし争うし殺めるし。
こんな景色想像してなかったよ。
ここまでくるとワタシも止めることはできないし
いっその事綺麗なものだけ見ていたいから
ワタシに選ばれた者のみ住める島をひとつ作っちゃおうかと思ってる。
君、綺麗?
私は苦笑いしてこう言った。
綺麗じゃない。妬み嫉みはあるし、貪欲。
私に無性の愛をくれたひとたちを、その島に連れてって欲しい。
神様は手を出してこう言った。
採用!そのひとたちと、君もね。
#鳥かご
君は外に出たいと言う
ここは息が詰まると言う
ここは安心な世界だよ
美味しいご飯と穏やかな毎日
外は不安定な世界だよ
自由は危険と覚悟がいるよ
それでも外で生きたいんだ
ときどき戻ってくるよと鳴いた
あれから何年経ったかな
まだ鳥かごは置いたまま
#友情
仲良しだよね
付き合っちゃえば?
友達だからないない
ちょうどいいんだよね
お互い恋人いるときも
変わらない距離感でいられるの
あの2年は最高に楽しくて
わたしだけ最高に切なかった
でもあのカタチで良かったの
あんな友情二度とないから