霜月 朔(創作)

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6/26/2024, 6:06:51 PM

君と最後に会った日


あの日は。
ごく普通の日だった。
特に大きな事件もなく、
暑くもなく寒くもなく、
雨も降っていなかった。

ただ、あの日。
私と君は、激しい口論になった。

今迄、君と喧嘩した事は、
無かった訳じゃない。
だから。今回も。
直ぐに仲直り出来るだろう。
…って、思ってた。

だけど。
そのまま、君は私の元を去った。
そして、二度と、
私の元に、戻っては来なかった。

淡々と続く日常の、
何でもない一日になる筈だったのに。
あの日は、
恋人だった君と最後に会った日。
…になってしまったんだ。

6/25/2024, 5:12:56 PM

繊細な花


綺麗な花を咲かせる。
…という事は、
恐ろしく手間が掛かる。

取り敢えず、苗を庭に植えて、
毎日、水をやってれば済む、
なんて考えは、甘すぎる。

その花の性質を学び、
剪定、病気の予防、害虫駆除など、
様子を見ながら、様々な世話をし、
最適な量の肥料や水を与える。

相当な労力。そして、幸運に恵まれて、
繊細な花は、その美しい姿を見せてくれる。

そんな、繊細な花を育てるなど、
俺には、とても出来はしないが。
それでも。
お前という、繊細な花を守る事なら、
少しだけ自信がある。

だから…。
偶には、素直に弱音を吐いてくれ。
俺が、何とかしてやる。

6/24/2024, 4:52:13 PM

1年後


梅雨の合間の晴れた日。
まるで夏みたいに、
太陽がキラキラ輝いてた。

綺麗な青空、白い雲。
降り注ぐ太陽の光。
普通の人はきっと、
こんな日は『良い天気』って
言うんだろうな。

だけど。ボクは。
太陽の光に負けてしまうから、
窓から恨めしく青空を眺めてるだけ。

1年後には。
ボクの病気が良くなって、
太陽の下でも元気に過ごす事が、
出来る様になってるかも。

でも。
1年後には。
ボクの病気は悪くなって、
起き上がるのも辛くなって、
ずっとベッドで寝ているかも。

長いようで短い1年後。
ボクは…。

6/23/2024, 5:39:03 PM

子供の頃は


子供の頃は、
貴方が好きだよ、と、
あんなに素直に言えたのに。

内気で弱虫な私を手を、
何時でも引いてくれていた貴方は、
ずっと私の憧れでした。

でも、大人になると、
本当の気持ちを、
はっきりと言えなくて。

貴方は変わらず私に、
笑顔を向けてくれたのに、
私は頬を染めて俯くばかり。

子供の頃は言えた言葉を、
大人になってから、
改めて貴方に伝えたくて。
でも、言えなくて。

もしも。貴方が昔と変わらず、
私に微笑みかけてくれるなら、
私は、貴方に伝えましょう。

今でも変わらず、貴方が好きですよ、と。

6/22/2024, 5:51:19 PM

日常


朝起きて、身支度を整え、
皆に挨拶して、朝御飯を食べる。
仕事をして、昼御飯を食べて、
また仕事をして。
仕事が終わり、束の間の自由時間。
晩御飯を食べ、入浴し、
寝支度を整え、眠りに就く。

繰り返される、何気ない日常。
貴方が生きている時から、
代わり映えのない、日々の生活。

貴方が俺の側に居たときは、
単調な日常も、楽しかったのに。
貴方が居なくなっただけで、
こんなにも、色褪せてしまうなんて。
貴方がいる頃には、想像出来なかった。

大切な人が居てくれるから、
日常は愛おしいのだと、
貴方を亡くしてから気付くなんて、
俺はなんて、愚かだったのだろう。

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