曇空 黒くなってく心模様
泣かない私と同じみたい


大雨に打たれる前に傘出して
涙を拭うハンカチ代わり


雲間から差した斜陽は繊細で
泣き濡れた頬 撫でて乾かす



#空はこんなにも

すべりだい 陽の当たる銀色の中
二歳の私が透けて見えた


これが好き あれになりたい それがいい
希望に満ちていたはずなのに


夢を持ちつつ死を願ってもいいの
矛盾にまみれ生きていくのよ



#子供の頃の夢

生と死がより合わさって糸になり
縛られたり地獄に垂れたり


人が飼うお蚕は言う
｢羽ばたくための筋繊維 奪ったくせに｣


脳味噌で言葉の糸を編んで
生地になれば人を温められる



#糸

助けてとボトルメールを書きました
どうせ飲み込み 胃液に溶ける


苦しいと口に出しては言うものか
届いてほしくない人がいる


どうしても届いてほしい気持ちにも
蓋して笑う 強がりだから



#届かないのに

もし君が産まれ変わっているのなら
海に溶けてて 泳ぎにいくね


魂の潮に揉まれる優雅さよ
こんなに綺麗じゃない私は


溶けるなら海ではなくて土がいい
腐葉土に咲く花になりたい



#もしも君が