息を吐く
息を吸う
大きな荷物を抱え
小さな電車に乗り込んだ
行き先は決めない
1年後…
息を吐く
息を吸う
小さな荷物を抱え
大きな電車に乗り込んだ
ここに居場所はない
5年後…
息を吐く
息を吸う
大きな荷物が増えた
小さなトラックに載せる
もう僕は一人じゃない
50年後…
息を吐く
息を吸う
小さな病気が見つかった
大きな病院でも治せない
君を一人にさせたくない
半年後…
震える手で文字を書いた
あなたに出会えてよかった
ありがとう
色の種類はとても多いです
黄系だけで10色以上もあります
オリーブ
刈安色
うこん色
雄黄
卵色
ゴールデンイエロー
サンフラワー
ジャスマン
ジュネ
ジャッロ
カモミーラ
この中から好きな色を選んでください。
あなたは選ぶことができますか?
私は選ぶことができませんでした。
では色でなく
80億の中から1人を選んでください。
あなたは選ぶことができましたか?
私は選ぶことができました。
この差は何か答えてください。
あなたは答えることができますか?
未来にかかる橋の上
幾人もの人々が行き交う
在る人は云う
みんなが行くから私も行く
在る人は云う
この先にお宝があるから行く
在る人は云う
他に行くところがないから行く
僕は云う
幸せを探し求めに行く
君は云う
あなたがいたから行く
僕は云う
未来が怖いから行くのやめる
天気予報は曇のち雨
3回目のデート
二人が好きなサスペンス映画
間においたポップコーンは
僕ばっかり食べる
音をたてないように気をつけた
映画の感想を話し外に出る
傘は玄関に置いてきた
想い憧れた相合傘
二人で駅まで全力で走る
濡れた顔が自然と笑う
手を強くつないでリードした
白い傘の下で肩を寄せ合う
わざと傘を忘れたの
僕だけじゃなかったんだね
闇の中を
懐中電灯の灯りで照らす
照らされた先に見えた闇
途方に暮れる日々
今日が何日かさえわからない
懐中電灯が落ちた
見えてた灯りが遠くに潜る
落下したことさえわからない
顔を触る
足を触る
腕を触る
私だけは暗闇の中
確かに存在している