一歩前に踏み出す前の跡

遠くにある小さな手形
今にも消えそうな星型
水が溜まった丸形
形が歪なひし形
蓋が閉まった正方形
花が咲いてる楕円形
私が今まで歩いてきた正直な形


迷いながら
もがきながら
悩みながら
今の世界を上手な嘘で歩いていこう

８時３分発の東京行き
そこには名前の知らない見慣れた顔がある
最近は友達よりも会う回数が増えた

赤の他人？青の他人？黄の他人？茶の他人？
呼び方さえ知らないのに



８時３分発の東京行き
名前の知らない顔がいない
先週から見かける回数が減った

理由なんて知るすべもない
ただ少し気になるだけ



８時３分発の東京行き
名前の知らない顔がある
春の訪れを知らせる合図

終わりなき旅の途中だ

あさが来た
まだ寝たい

外がなんだか温かくて眩しい
昨日までと違って自然とまぶたがひらく


そとの世界を見たことがない
本当は怖い
恐怖心で動くことさえはばかられる

まぶたが自然と開くことに逆らえない
ゆっくりと世界に色がつく

もっとはやくまぶたをひらけばよかった

好奇心で心が満ちていく
夏の朝だけに咲く運命からは逃れられない。
なんてことをまだ知らない