あのとき、僕は、あなたに好きだと言えなかった。
どうしても、言えなかった。
ずっと不安でしか、なかったから。
あなたには、他に好きな人がいるんじゃないか?
僕は、あなたを腕の中に包んでも、
好きだなんて、言えないと思ってた。
今、あなたは、きっと他の誰かと
僕の知らない人を愛しているだろうか?
それなら、それでいい。
君は、今、僕よりも幸せであれ。
さっきまで、晴れて暖かいと思ってたのに、
だんだん暗くなってきて、
雨がポツリと、僕の頬に滴り落ちた。
ちょっと油断してたな。
灰色の、気分まで暗くなりそうな、
物憂げな空から、
あっという間に大粒のあめが、
今日は、この夕立がおさまるまで、
ここで、休もう。
僕たちにとって、初めて、小さな命が
誕生したとき、この腕の中に抱いたとき、
嬉しさと、無事に生まれてくれた喜びが
あふれた。
ありがとう、僕たちの元に、こんなに小さいのに
大きな存在。
ずっとずっと、大切にする。
僕にとって、そばにいつもいてくれる
あなたが、誰よりも大事で、
いないとき、すごく不安になる自分がいる。
僕は、あなたに愛されている自信がないから。
本当につまらないことで、すぐ怒ったり
心に余裕がなくなったりして
あなたを困らせたりするから。
あなたを一生大切にすると、みんなの前で誓った。
本当に、「あなたを愛してます。」と。
永遠にと、刻まれた結婚指輪を時折眺める。
明日、あなたに久しぶりに伝えたくなった。
一緒にいてくれて、ありがとう、と。
毎日過ごす中で、他人と接することが
とても、苦痛に感じる時が時折ある。
僕にとって、いつも拒否的な態度を
あからさまに他人へ、示してしまうときがある。
そして、そんな自分を反省する。
真っ黒な僕の心を照らしてくれそうな
太陽のような光、温かみが欲しい。
自分が単に一人の人間として、未熟なだけだと
気づいているが、まだまだ、大人になれない。
いつも、いつまでも、ぽかぽか陽気な
太陽に照らされているような、
そんなふうに生きられたら、幸せだろうな。