痛まない日々を愛してる

寂しくて人恋しくなる温度
かさかさ踏みしめる足元だけ迷子

季節が来ましたね？と
ひとり浮かれて抱える本を

毎時毎秒でしょうにと君が笑った
翻す羽織るその鮮やかな裾先

何を失いましたか？

駅で切符を買うのに
選択肢が幾つか

お金はないけど失ってはいないし
健康は失っているけど
取り戻している最中だ

迷っている間
隣の列は次々人が流れてく

［恋］［恋］［愛］
［親］［海］［恋］

へぇ　それを持たぬひとなのか
そして　恋の割合の高さよ
などと思ううちにじぶんの番だ


そうさ
そうさなあ

［感傷］

忘れないように気をつけて持ち歩く傘を
あらゆるところに置き忘れてしまうから

来た道を戻る
この足あとを

あたしは
そう、呼ぶ

美味しいものを食べたとき

商品名や材料が書かれたシールを
ノートに貼り付けていた

彼女の持つあらゆる冊子形態のもの

どこを読んでも、僕がいて


胸の前で

奥で
ひらく

8月31日、午後5時
それが僕の名前だった

一瞬のひかり
暗転して真四角

発見された僕は
相変わらずこの

8月31日、午後5時
これが僕の生命だった