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11/26/2023, 3:36:44 PM

僅かな熱が灯る。それは憎悪とも愛情とも執着とも取れるひどく曖昧な灯火で、しかし燃え盛るほどの熱量はさしてない、ちんけなものだった。やり場のない僅かな熱は、燻るだけである。いっそ大量の燃料でも注がれたなら燃え尽きることもできるのに、その燃料になる材料さえ手に入れる事ができない。
何せ、凡庸な人間だ。
目立つ中心人物にはなれないし、劇的な日常を送れるような人間でもない。ルーティンを熟し、日々をただ消化する歯車人生だ。炉心で燻る熱が発露することは決してない。それが悪いとも思っていない。穏やかで居られることの重大さは身に沁みている。

11/25/2023, 2:00:27 PM

燦々と輝く太陽に目を眇めて、最悪だと悪態を吐く。なんだってこんなに暑いのか。もう十一月だというのに、夏にも迫る気温で汗が出る。半袖はまだ仕舞わなくても良かったな、という後悔をため息とともに吐き捨て、仕方無しに袖を捲くる。いつになったら袖のある服をまともに着れるんだ。