【静かな情熱】

自分の気持ちを口に出すことが苦手。

だから花に乗せて気持ちを表すの。

今日、伝えられなかった気持ちはヒマワリに。

【遠くの声】

どこかから聞こえる声。

どこか懐かしく、そして寂しい気持ちになる声。

きっと、亡くなった母の声に似ているせいだろう。

その声の正体の元へ行きたい。

けど、本能的にそれはいけない事なのだと感じとっているのか行こうとすると体が震えて動かなくなる。

もしかするとあの声の元へ辿り着けた時、その時は俺に取ってその日が最期になるかもしれない。そんな気がする。

【春恋】

人生で初めて、好きな人ができました。

高校に入って隣の席になった人。

冴えない私に優しくしてくれたの。

私に、優しくしてくれる人になんて初めて出会った。

同時に私も人を好きになるなんて初めてだった。

こういうのを春が来たっていうのかな。

あぁ、どうかこの恋が実りますように。

【未来図】

将来の夢ってある？

私はない。逆にどうしてみんなはあるんだろうか。

ただ、生きて死ぬだけ。

それに将来なんてあるのかな。

未来図…そんなこと言われたって老いて朽ちていく自分しか想像できない。

よく将来の夢を聞かれるけど、聞く意味も答える意味もないと思う。

将来の夢を言ったってその人は叶えてくれるわけじゃないし、笑われるかもしれないのに。

聞かれても答える夢がないし、楽でいいんだけどね。

【ひとひら】

舞い散る桜。

桜は一年のうち一週間は満開、その後一週間ほどで散り始めるらしい。

あんなに綺麗で好かれる桜でも寿命はすぐ尽きてしまい、その年の桜は忘れられてしまう。

桜が散ったのを見てみんな名残惜しく思うのではなく来年の桜のことを考える。



桜は記憶に残るもののようで残らないものなのだろう。